アディソン・ハイマン監督のクィア・スリラー『ハイポ』7月4日公開へ 製作はXYZ FILMS

アディソン・ハイマン『ハイポ』7月公開決定

 アメリカの映画制作会社 XYZ FILMSとアディソン・ハイマン監督がタッグを組んだ映画『Hypochondriac(原題)』が、『ハイポ』の邦題で7月4日より新宿シネマカリテで劇場公開されることが決定した。

 本作は、監督自身が経験した病気不安症から着想を得た、どこまでも実話に基づくクィア・スリラー。『ビバリウム』『ザ・レイド』『神は銃弾』など話題のジャンル映画を国内外に発信するXYZ FILMSが製作を手がけ、キャストには『ストレイ・ドッグ』のザック・ビーヤ、『NOPE/ノープ』のデヴォン・グレイ、『ツイン・ピークス The Return』のマデリーン・ジーマ、『バビロン』のクリス・ダベク、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』のピーター・メンサーが名を連ねた。

 2022年にSXSWでプレミア上映された本作は、その後ファンタジア国際映画祭、フライトフェスト国際映画祭など世界有数のファンタ系映画祭で入選。さらに「世界最古LGBTQ+映画祭」ことフレームライン・サンフランシスコ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。

 幼い頃、双極性障害を患う母親に無理心中を図られた過去を持つウィル。成人し両親の元を離れ、ゲイである自身を受け入れてくれる恋人との幸せな生活を送っていた。しかしある日、長い間接触を絶っていた母親から「恋人を信用するな」というメッセージが届く。その出来事を機に、ウィルの精神は次第に不安定になり「自分は“病気”なのでは?」という妄想に囚われていく。そしてついに、彼の背負う暗い過去が、“狼男”の姿となって再び心を蝕み出す。

 公開されたポスタービジュアルは、ポップなタイトルロゴに大きなハートをあしらった、一見すると可愛らしいデザイン。しかし、「僕はママみたいに 病気じゃない」というキャッチコピーからは不穏さが垣間見える。あわせて、幻想的かつ狂気的な光景を写し出したメインビジュアルも公開された。

 さらに、『愛と差別と友情とLGBTQ+』で知られるジャーナリスト・北丸雄二から、本作へのコメントが到着した。

北丸雄二(ジャーナリスト)コメント

『ハイポ』はさらなる次の物語の段階を示しているのかもしれません。ウィルはゲイで、ルークという優しく献身的な恋人がいます。しかし、彼のゲイネスはこの映画の主要テーマである「精神崩壊」には関係しません。性的少数者であっても、性的少数者であることとは無関係にさまざまな問題を抱える、という当然のことを、改めて描くという──つまりこれは交差性の問題です。

■公開情報
『ハイポ』
7月14日(金)新宿シネマカリテで劇場公開
出演:ザック・ビーヤ、デヴォン・グレイ、マデリーン・ジーマ、クリス・ダベク、ピーター・メンサー
脚本・監督:アディソン・ハイマン
編集:マイク・ヒューゴ
撮影:ダスティン・スペンチェック
衣装:ジェシカ・ブルーワル
美術:ニコラス・フィーリャ
音楽:ロバート・オールエア
日本配給:Cinemago
2022/アメリカ/英語/96分/R15+/原題:Hypochondriac/日本語字幕:堀池明
© 2022 HYPOCHONDRIAC LLC. ALL RIGHTS RESERVED./Cinemago

 

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