2025年春オリジナルアニメが豊作すぎる SFからアイドルまで必見の5作

2025年春オリジナルアニメが豊作すぎる

 4月から放送が始まった2025年春クールのアニメでは、スタジオカラー×サンライズによる『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が大きな注目を浴びているようだ。しかし今期は同作だけでなく、近年稀に見るほど多数のオリジナルアニメが放送されている。

 アニメ界のレジェンドクリエイターによる最新作に、旬の脚本家による意欲作など、さまざまな作品が揃っているので、そのうち5本の注目作を紹介していこう。

渡辺信一郎監督の最新作! 『LAZARUS ラザロ』

 『LAZARUS ラザロ』は、MAPPA制作によるSFアニメ。監督を務めるのは、今でも世界中にファンがいる1990年代の名作アニメ『カウボーイビバップ』を手掛けた渡辺信一郎だ。

『LAZARUS ラザロ』Main Trailer

 『カウボーイビバップ』といえば、スタイリッシュなセリフ回しやアクション、ハードボイルドな雰囲気に満ちた作品で、当時のアニメファンに大きな衝撃を与えたことで有名。『LAZARUS ラザロ』にもそんな作風が継承されており、まるで海外ドラマのようなオーラを感じさせる。

 物語の舞台は、奇跡の薬とされる「ハプナ」が大流行している近未来。薬の開発者であるスキナー博士が「ハプナには服用から3年後に発症する死の毒が仕掛けられている」というビデオメッセージを公開したことから、世界は大混乱に陥る。

 そこで姿をくらませたスキナー博士を見つけ出すため、世界中から招集されたのがエージェントチーム「ラザロ」。刑務所からの脱獄を繰り返す飄々とした青年、世界的に有名なハッカーの少女など、5人のメンバーはいずれも個性豊かで、ミステリアスな過去を背負っている。

 さらにハリウッド顔負けの本格派アクションも見どころだ。なにせ劇中のアクション監修は、あの『ジョン・ウィック』シリーズのチャド・スタエルスキが務めている。たとえば第1話では、主人公のアクセルが刑務所から脱獄し、パルクールを駆使して近未来都市のビル群を駆け抜けていく姿が丸々1話を使って描かれていた。

 今どき珍しい硬派な作品なので、「最近のアニメにはハマれない」という人にこそ視聴してみることをオススメしたい。

人類がいなくなった地球でおもてなし! 『アポカリプスホテル』

『アポカリプスホテル』©アポカリプスホテル製作委員会

 サイバーエージェントとCygamesPicturesが送る新感覚のSFアニメ『アポカリプスホテル』も、注目の1作だ。

 物語の舞台となるのは、人類がいなくなってから長い月日が過ぎた地球。東京の銀座にあるホテル「銀河楼」では、ホテリエロボット・ヤチヨと従業員ロボットたちが人類の帰還を待ちながら悠久の時を過ごしていた。そんなある日、ホテルに100年ぶりの客が訪れるのだが、人間ではなく地球外生命体だった。ヤチヨたちはマニュアル通りにはいかない異星の客をあの手この手でもてなそうとする……。

 人類のいない世界を舞台としたポストアポカリプスでありながら、ほのぼのとした時間が流れる独特の作風。またニュルニュルとした触手があるいかにもな宇宙人や、地球人に成りすましたタヌキ星人など、異星人たちも個性的で、にぎやかな物語が繰り広げられる。オリジナルアニメということもあって先の展開が読めないので、ハラハラドキドキの気分を味わえるだろう。

 さらにキャラクター原案は、『あんみつ姫』や『あおいちゃんパニック!』で知られる漫画家の竹本泉。独特のタッチから生まれたかわいいキャラクターたちに、癒されること間違いなしだ。

豪華スタッフが集結したSF大作『ムーンライズ』

 今期もっとも豪華な制作陣が集まったオリジナルアニメとしては、『ムーンライズ』を外すことはできない。

『ムーンライズ』- 予告編 - Netflix

 同作は『進撃の巨人』や『SPY×FAMILY』などで知られるWIT STUDIOが、Netflixとタッグを組んで制作したSFアニメ。キャラクター原案は『鋼の錬金術師』の荒川弘で、ストーリー原案は『マルドゥック・スクランブル』の冲方丁が手掛けている。

 同作の舞台は、人類が国際的なAIネットワーク〈サピエンティア〉の判断に従って生きる近未来の社会。地球からの解放を目指す月の反乱軍が大規模な爆破テロを巻き起こし、主人公のジャックは家族を奪われる。そして地球軍の調査兵に加わり、月へと向かう……というストーリーだ。

 戦禍の背景にあるのは、犯罪者や汚染物を月に送って安寧を保っている地球と、貧困を押し付けられる月との格差。たんなるファンタジーではない、生々しい人間たちの争いが描かれていく。格差社会はもちろん、AIによる支配など、現代社会に通じる主題を巧みに盛り込んだハードな描写は、冲方のSF作家としての力量をひしひしと感じさせる。

 また映像作品としての見どころは、3Dプリンターを応用した作中独自の技術「エングレイブ」を軸としたアクションだろう。低重力の月面を飛び回りながら、武器の形を自在に変形させて戦うバトルは、『進撃の巨人』の立体機動装置を思い出させるような爽快感だ。

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