『あんぱん』河合優実&細田佳央太の撮影裏をCPに聞く 「試写段階から号泣していました」

NHK連続テレビ小説『あんぱん』が現在放送中。“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと暢夫婦をモデルに、何者でもなかった2人が“逆転しない正義”を体現する『アンパンマン』にたどり着くまでを描く。
第27回、のぶ(今田美桜)の祖父である釜次(吉田鋼太郎)の弟子、石工の原豪(細田佳央太)に赤紙が届く。両想いでありながら、これまで自分の気持ちを口にすることのなかった蘭子(河合優実)と豪。だが第29回、のぶの後押しもあって豪の出征直前にようやく思いを伝え合うのだった。

制作統括の倉崎憲は、豪を演じる細田佳央太の起用について「実は嵩の弟・千尋役のオーディションに来ていただいたんです。我々が気になっていた次世代のスターになるような方々数十人にお集まりいただき、その中に細田さんもいらっしゃいました」と説明する。
「内容にはヒロインオーディションと同じ要素もあって、『アンパンマンのマーチ』を1番から3番まで喜怒哀楽いろいろな感情で読んでもらいました。その時点で、豪は職人気質で、無口で、釜次をリスペクトしている真面目で真っ当な男であるというキャラクターができていて、細田さんの芝居や佇まいを見たとき、そして彼と様々な話をするなかで、いわゆる寡黙な男が似合うなと思ったんです」
だが、細田はすでに多数の作品で主演を務める人気俳優。倉崎は「果たしてセリフが少ない役で出ていただけるだろうかとは思いましたが、絶対に豪にハマると。脚本家の中園(ミホ)さんも『とてもいいじゃない』と賛同してくださったのでオファーをしたら、受けてくださいました」と配役の裏側を明かし、「人柄を含め、とにかく真摯で真面目でストイック。感情を全て表に出すわけではないけども、ちゃんと胸の内には熱いものを持っているという細田さん自身の人間性と、豪のキャラクターがリンクする。映像を見ていても、豪が細田さんでよかったなと感じています」と自信を見せた。

豪は、史実にはない本作オリジナルのキャラクター。「まず『釜次に弟子はいるよね』というところから始まって、戦前の職人ですから寡黙で、釜次の教えを絶対としている人物にしましょうと。そこで、常に朝田家にいるけれども、釜次の弟子として仕事に徹しながら、でも全体を傍から見守っているようなキャラクターになりました」と人物造形の背景を語り、「それから戦争が近づき、若い男がどんどん兵士に取られていった時代だったので、このストーリーを作っていきました」と続けた。
視聴者の切なさを駆り立てる“恋物語”は脚本家・中園ミホのアイデア。「朝田家三姉妹のキャラ分けでもありますが、蘭子は自分が一歩引いて、自分よりも人の幸せを願っているタイプ。表に自分の感情を出さない蘭子だからこそ、豪に惹かれるのかなと議論をして、自然と『蘭子と豪をそういう関係にさせたらどうか』という話になっていきました」とした。