栁俊太郎、蒔田彩珠の夫役で『消滅世界』出演へ 「脚本を読んだときに衝撃を受けた」

今秋公開される蒔田彩珠主演映画『消滅世界』に栁俊太郎が出演することが発表された。
原作は、累計発行部数170万部を超える、芥川賞作家・村田沙耶香の長編小説。超少子化の先、“性”が消えゆく世界で激動する“恋愛”“結婚”“家族”のあり方に翻弄される若者たちを描く。
物語の舞台は、人工授精で子どもを産むことが当たり前になった世界。そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ恋や性愛の対象は“家庭の外”の恋人か、二次元キャラというのが常識に。そんな世界で“両親が愛し合った末”に生まれた主人公・雨音(蒔田彩珠)は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
MTV出身、RADIOHEAD、OASIS など国内外の様々なアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなどを手がける映像ディレクター・川村誠が、脚本・監督を担当。本作が長編映画監督デビュー作となる。
栁が演じるのは、雨音の夫・朔。栁は「読んだときに衝撃を受けた」と脚本と初めて出会ったときのことを述懐。「“人間”という言葉を使っていいのかどうなのか、といった疑問が浮かんでくる存在であり、優しくとても真面目な故に自分を壊していってしまうような、柔らかく儚い一面がある」と朔というキャラクターについて独自の分析。主演の蒔田についても「演じているときの姿と、撮影の合間に2人で話しているときのゆるりとした姿とのギャップが、プロフェッショナルであり印象的」であったとコメントを寄せている。川村監督は栁について、「朔という人物を、淡々と、そしてどこかミステリアスに演じていただける方を考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが栁さんでした」と起用理由を明かし、「蒔田さん同様、栁さんの存在無くして本作の実現はあり得ませんでした」と信頼を寄せている。
また、新たな場面写真も公開。グレーを基調とした背景に佇む栁の姿が描かれている。
コメント
栁俊太郎
初めて脚本を読んだのは5年半前でした。
当時の自分にとってこのようなテーマは現在ほど身近ではなかったので、読んだときに衝撃を受けたことを強く覚えております。
朔という人間は、ここで「人間」という言葉を使っていいのかどうなのか、といった疑問が浮かんでくる存在であり、優しくとても真面目な故に自分を壊していってしまうような、柔らかく儚い一面もあります。
撮影は短い期間でしたので、あっという間に終わってしまいました。
監督の演出は多くを語らずともしっかり寄り添っていただき、監督の頭の中の世界をみんなが共有していたように思います。主演の蒔田さんはとてもハードなシーンが多く大変だったと思いますが、演じているときの姿と、撮影の合間に2人で話しているときのゆるりとした姿とのギャップが、プロフェッショナルであり印象的でした。
この作品は川村監督の持つ独特な色とリズムを存分に感じられる作品になっていると思います。
ぜひ劇場でご覧いただけたらと思います。
川村誠
私たちの常識とはかけ離れ、それでいてもしかしたら有り得るかもしれない世界線で生きる朔という人物を、淡々と、そしてどこかミステリアスに演じていただける方を考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが栁さんでした。
企画立ち上げ当初からお声がけさせていただき制作が危ぶまれた時期も含め、長年本作に拘ってくださったことが、作品成立の大きな力となりました。蒔田さん同様、栁さんの存在無くして本作の実現はあり得ませんでした。
撮影の頃には、役を完全に自分のものにして世界の同調圧力の中でグラデーションするように変容していく人間の内面を、極めてナチュラルに、そして静かな狂気をも感じさせる存在として見事に体現してくださり、作品のトーンを決定づけてくれました。
本気でこんなことを言っているのか、その瞳の奥で何を考えているのか。そんな想像を掻き立てる栁さんの存在感と演技を、ぜひ堪能していただきたいです。

■公開情報
『消滅世界』
2025年秋公開
出演:蒔田彩珠、栁俊太郎
原作:『消滅世界』(村田沙耶香著/河出文庫)
監督・脚本:川村誠
配給:NAKACHIKA PICTURES
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