細田守監督作『果てしなきスカーレット』公開日は11月21日に ティザービジュアル&特報も

細田守『果てしなきスカーレット』特報映像

 細田守監督最新作『果てしなきスカーレット』の公開日が11月21日に決定し、ティザービジュアルと特報映像が公開された。

 『時をかける少女』、『サマーウォーズ』、『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』、『未来のミライ』、『竜とそばかすの姫』と、日本のみならず世界中の観客を魅了し続けてきたアニメーション映画監督の細田。2024年12月23日に行われた製作発表会見では、前作から4年の年月を経て、制作中の最新作となる本作を発表。主人公の王女・スカーレットが描かれたスーパーティザービジュアルが発表され、細田監督は会見で、「『竜とそばかすの姫』での“U”の世界で手ごたえを感じ、本作ではまったく新しいルックでアニメーションの可能性を広げたいと思った」と本作に懸ける並々ならぬ想いを語った。

 主人公・スカーレットは、とある国の国王である父を殺された王女。しかし、その復讐に失敗したスカーレットが目を覚ますとそこは“死者の国”だった。狂気にあふれたこの“死者の国”では、宿敵に復讐を果たし、“見果てぬ場所”にたどりつかなければ“虚無”となり存在が消えてしまうという。スカーレットは“虚無”とならずに、宿敵に復讐を果たすことができるのか。果てしなき復讐への旅路が始まる。

 細田監督は本作の製作経緯について、「2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです」とコメント。

 また、「世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。『復讐』すれば『報復』がある。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で『復讐』せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、どのような行動をとるべきなのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです」と、テーマを「復讐」とした理由を明かした。

 公開されたティザービジュアルには、本作の主人公である王女・スカーレットが、純白のドレスが血に染まりながらも、手には鋭い剣を持ち、たくさんの死体の上から鋭い表情で前を見据えている姿が描かれている。

【特報】『果てしなきスカーレット』<11月21日(金)公開!>

 初公開となる本編映像を含む特報映像には、宿敵への復讐を果たしに旅に出る王女・スカーレットと砂漠に覆われた“死者の国”と呼ばれる世界のカットを多数収録。砂漠の中にそびえ立つ荘厳な城や密集するたくさんの人々、火山、雷など繊細なタッチで描かれた“死者の国”の様子や、竜の存在も明らかに。また、そんな世界を生き抜くべく、剣を抜きながら険しい表情で迫るスカーレットも登場。たくさんの兵士相手に一人戦うシーンや顔中砂まみれになっている姿など、鬼気迫る表情も映し出されている。一方、汚れ一つない純白のドレスを身にまとったスカーレットも。

 本映像にて、スカーレットの声が初公開。「ここは……?」とスカーレットが、目線の先にいる人影に問いかける。問いかけた相手は誰なのか、どのように物語に関わってくるのか。そして、果てしなき復讐劇に身を投じるスカーレットを誰が演じているのか。 

 また、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントによる全世界配給(日本を除く)により、日本公開に続き、12月12日よりアメリカでの劇場公開も決定した。

細田守監督 コメント

この作品を考え出したのは2022年3月頃です。

2021年にコロナ禍があり、世界はコロナというウイルスに対し一致団結していたように思っていました。ところが2022年、それが終わりかけたタイミングに世界のあちこちで戦争が起こり、世の中がカチッと悪い方向に変わった感覚がありました。日常だと思っていたものが崩れていく様子を毎日ニュースで僕らは知ることになる。自分自身が生きていること、過ごしている世の中、そして今のこの平和というものは非常に危ういものだと、ショックを受けました。

平和ではない世の中をどうやって生きていくべきなのか、ということの答えを、世界中の人が求めている。答えがあるのかないのかわからないけれども、みんなどうしたら争いが解決するのか、どうしたら僕らは安心して生きていけるのか、という答えをみんな必死に探している。今作品を作るなら、そういうみんなの切実な気持ちに対し、向き合って映画を作るべきじゃないか、というところから『果てしなきスカーレット』という作品を発想したんです。

世界で起こっている出来事を見ると、深い遺恨や復讐心が次々と生まれてしまう状況だと感じています。「復讐」すれば「報復」がある。その連鎖は延々終わらない。どこかでそのループから抜け出さないといけないけれど、簡単に抜け出せるような甘いものではない。映画の中で「復讐」せざるを得ない状況に主人公が追い詰められたら、ないしはもし僕らが追い詰められたとしたら、どのような行動をとるべきなのか? 頭では「復讐」のループを断ち切らないといけないと分かっていても、感情的にそんなことが可能なのか? 課題を突き付けられた気がしました。それで“復讐の物語”を作ろうと思ったんです。

■公開情報
『果てしなきスカーレット』
11月21日(金)公開
監督:細田守
配給:東宝
©︎2025 スタジオ地図
公式サイト:https://scarlet-movie.jp/
公式X(旧Twitter):https://x.com/studio_chizu
公式Instagram:https://www.instagram.com/studio_chizu/
公式Facebook:https://www.facebook.com/studiochizu

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