『ライオン・キング:ムファサ』はボーナス・コンテンツも必見! 名曲と巡るアフリカの旅

『ライオン・キング:ムファサ』特典映像解説

 2024年に公開された『ライオン・キング:ムファサ』のブルーレイ + DVDセットと、4K UHD  + ブルーレイ セットが発売中だ。本作は、1994年に公開されたアニメーション映画および2019年に公開された“超実写”映画『ライオン・キング』の前日譚。『ライオン・キング』の主人公シンバの父であるムファサが、いかにして偉大な王となったのか、その経緯と冒険が描かれる。同時に本作は、ムファサの“弟”でありヴィランであるスカーのオリジンストーリーでもあることにも注目だ。

 『ライオン・キング』の物語は、長い間多くの人に愛されている。ここでは『ライオン・キング:ムファサ』の魅力を、ブルーレイのボーナス・コンテンツに少し触れながら紹介していこう。

 両親とともに砂漠の大地を旅し、理想郷「ミレーレ」を目指していたムファサは、洪水で両親とはぐれてしまう。そんな彼の命を救ったのは、ライオンの王子タカ(のちのスカー)。血のつながりを超えて兄弟の絆を結んだムファサとタカは、冷酷な敵ライオンから逃れて新たな群れを作るため、新天地を求めて旅に出る。

 『ライオン・キング:ムファサ』の監督を務めたのは、2016年の『ムーンライト』でアカデミー賞を受賞したバリー・ジェンキンス。社会派作品を多く手掛けてきた彼にとって、本作は初のミュージカル映画となった。しかしそのストーリーテリングの手腕は、本作でも存分に発揮されている。ムファサとタカ、そして彼らが旅の途中に出会う、のちにムファサの妻となるサラビ、とらえどころのないマンドリルのラフィキなど、『ライオン・キング』でおなじみのキャラクターたちの若き日の成長と苦悩が描かれる。本作はラフィキがシンバの娘キアラに、ムファサの若き日の冒険を語って聞かせる構造になっており、時折挟まれる“現在”のキアラや、ティモンとプンバァのコミカルなシーンも楽しい。ボーナス・コンテンツの「メイキング・オブ・『ライオン・キング:ムファサ』」によると、キャストたちも「キング・オブ・エンターテイメント」たる『ライオン・キング』のレガシーに加わることに責任感や重圧と同時に楽しさを覚えていたというが、彼らは口を揃えてジェンキンスの手腕をたたえている。彼の明確なビジョンと作品への愛が、ムファサの物語を「サークル・オブ・ライフ」の原点として輝かせている。

 2019年版と同じく“超実写”で制作された本作の映像は、とてもリアルで、それ以上に活き活きとした動物たちの表情が描かれていることにも注目だ。もちろん舞台となるアフリカの風景も美しく再現されている。「メイキング・オブ・『ライオン・キング:ムファサ』」でジェンキンスは、これまでの実写映画とは違う制作現場に苦労したと語っている。さらにコロナの影響でアフリカにロケハンに行けなくなった一方で、現地のアーティストに協力を求めたことで、実際に自分たちで足を運ぶよりも広範囲で詳細なアフリカの風景を捉えることができたという。ムファサが両親とともに旅したボツワナから最終的に彼らがたどり着くケニアまでを想定して、彼らの旅の背景は実際のアフリカの風景をもとにしており、観客である私たちもアフリカの旅を楽しむことができる。

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