『おコメの女』松嶋菜々子のドライな佇まいがハマり役に 妙に生々しいアンミカの芝居

松嶋菜々子が主演を務める木曜ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』(テレビ朝日系)第1話は、「国税局の調査って、これほどまでに情報戦なんだ」と思わせる導入回だった。
舞台は東京国税局・資料調査課。圧倒的な情報収集と調査スキルを誇り、1人あたりが見つける隠し所得は年に数億円規模とも言われる部署だという。脱税者を震え上がらせる税務調査最後の砦で、“料”の米偏を取って「コメ」と呼ばれている──この設定を、冒頭から分かりやすく叩き込んでくる。

主人公は「コメ」の敏腕国税調査官・米田正子(松嶋菜々子)。初回のつかみが上手いのは、正子が“怖いこと”を大声で示さないところだ。ポケットに手を入れたまま、ドライな口調で相手の懐に入っていき、淡々と「明示の承諾」を得た瞬間に調査を始める。感情ではなく手順で追い詰める。その気だるげな佇まいが、逆にプロの冷静さとして映った。

そんな正子が新たに立ち上げるのが、他部署が手を出しにくい厄介事案を扱う新部署・複雑国税事案処理室、通称・ザッコク。モットーは「正しく集めて、正しく使う」。彼女が招集したメンバーは、財務省キャリアで東大卒の笹野耕一(佐野勇斗)、ワークライフバランス重視の俵優香(長濱ねる)、強運だけが取り柄の古町豊作(高橋克実)、そして正子の元上司・飯島作久子(大地真央)。この4人が早速いい具合に噛み合わない。誰かが万能で解決するのではなく、バラバラの個性がそのままチームの面白さになる。特に豊作のいざという時だけ妙に頼れる感じが効いていて、ザッコクの空気を一気に柔らかくしていた。

今回のターゲットは、“年金ビーナス”と呼ばれメディアにも引っ張りだこの年金アドバイザー・紅林葉子(アン ミカ)。高齢者向けにセミナーを開催し、書籍も出版、テレビでも正しい老後資金の使い方を語る人気者だが、実態は極悪だ。影では「3,000万をむしり取る」という強烈な言葉が飛び出す。正子が行きつけの居酒屋で偶然その名を耳にし、これは高齢者をだましているのではと糠の匂いを感じる流れが、事件のスイッチになる。

正子は葉子が代表を務める会社「紅スマイル」の調査を開始。優香は「まだ早いのでは」と慎重だが、正子は引かない。そこに耕一の優秀さが加わり、調査は順調に進む。やがて浮かび上がるのが、葉子の右腕とも言える証券アドバイザー・生島輝一(田中幸太朗)の存在だ。生島は、脱税の証拠になり得る現預金、不動産、有価証券など、資産としての多額の“タマリ”を管理している。つまりこの事件は、集めた金をどう隠すかという金の操作の話になっていく。

ザッコクは実態を掴むため、セミナーに潜入。さらに社交パーティーへの参加を勧められ、葉子の懐へ踏み込もうとする。しかし、ここで耕一がヘマをしてしまい、潜入が国税局上層部にバレてしまう。正子はこっぴどく叱られるが、それでも正しく税金を払わせるために捜査を止めない。一方で、パーティで動いた金の一部が持ち出され、生島がドバイに行っていることも判明。相手は財務省に顔が利き、金の管理にも長けている。ザッコクが翻弄されるのも無理はない。























