松たか子と松村北斗をずっと見ていたい 『ファーストキス 1ST KISS』の間違いない面白さ

リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、松たか子と誕生日が同じの宮川が『ファーストキス 1ST KISS』をプッシュします。
『ファーストキス 1ST KISS』
「もしあのときああしておけば……」と過去に戻って恋愛をやり直す“タイムトラベルもの”は数あれど、離婚寸前の中年男女が主人公の物語は珍しい。しかもそれでいてめちゃくちゃ面白いというのは稀有なことだ。
脚本家・坂元裕二とテレビドラマから映画まで手がける塚原あゆ子監督が初タッグを組んだ『ファーストキス 1ST KISS』。主演は松たか子、相手役はSixTONESの松村北斗という、全てが間違いない組み合わせ。そして間違いなく面白い。
松たか子が演じるのは、舞台美術の仕事をしている主人公・硯カンナ。夫の駈(松村北斗)と結婚して15年になるが、夫婦関係は冷え切っていて、離婚寸前だった。そんな中、駈が事故で亡くなってしまう。ある日、カンナが車で高速道路を走っていると、なんと駈と出会った15年前の夏にタイムトラベルしてしまう。若き日の駈と“再会”したカンナは、15年後の事故死を防ぐために、何度も過去に戻って歴史を変えようとするのだが……。
話としては王道のタイムトラベルものではあるが、映画の肝はそこではない(むしろタイムトラベルの設定はやや強引)。15年前の駈とタイムトラベルした現在のカンナが再び出会い、交流していくさまにこそ、この映画の醍醐味が詰まっている。