ティム・フェールバウム監督が制作へのこだわりを明かす 『セプテンバー5』特別映像公開
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2月14日に公開される映画『セプテンバー5』の特別映像が公開された。
オリンピックの長い歴史の中で今なお大会史上最悪の事件として語られる、1972年9月5日ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団の人質事件。本作では、突然、世界が注目する事件を中継することとなったTVクルーたちの視点から、エスカレートするテロリストの要求、錯綜する情報、冷戦下で機能しない現地警察、刻一刻とテロリストが定めた期限が迫る中、極限的な緊張感に置かれた、事件の発生から終結までの1日がノンストップで描かれる。
大部分が実際にこの出来事が起きたミュンヘンで撮影され、ミュンヘンにあるスタジオが使用されたシーンでは、密室感を作り出すために意図的に窓を設けなかったという。
脚本と監督を担当したのは、『HELL』『プロジェクト:ユリシーズ』などを手がけたティム・フェールバウム。キャストには、『ニュースの天才』のピーター・サースガード、『ありふれた教室』のレオニー・ベネシュ、『パスト ライブス/再会』のジョン・マガロらが名を連ねた。
ヴェネチア国際映画祭で称賛を受けた本作は、第82回ゴールデングローブ賞では、作品賞ドラマ部門に見事ノミネートされた。
公開された特別映像「監督編」では、フェールバウム監督と出演俳優陣が撮影について振り返っている。フェールバウム監督は「俳優が実際に事件に奮闘する姿のドキュメンタリーを作るように撮影したかった」と、リアリティを追求した制作手法を明かした。
ベネシュは「(中継室のセットの)小さな部屋にいると実際にイラ立ってくる。当時の緊迫感を身をもって感じられた」と、監督の意図を肌で感じていた様子。
マガロも「監督に『できる限り忠実に再現し現実味を持たせる』と開口一番言われた」と語り、サースガードも「監督は細部にまでこだわっていた。すべてを完璧に再現してくれた。1972年に戻った気分だった」と語り、中継室のセットでは1972年当時のオリンピック映像が流れ、実際に動く機材を使っていたことなど撮影を振り返った。
チャップリンも「準備に抜かりなく、頼りになる監督」と43歳のフェールバウム監督に一目を置いている。
プロデューサーのショーン・ペンは「監督が作った明確な視点は観客を引き込む」と、本作の独自性を賞賛した。
そしてフェールバウム監督は「今は誰もがポケットの中にカメラがあり、どこからもライブ配信ができる。だが過去に戻り、初めて悲劇が生中継された瞬間を見届けてほしい」と熱く語った。
■公開情報
『セプテンバー5』
2月14日(金)全国公開
監督・脚本:ティム・フェールバウム
出演:ジョン・マガロ、ピーター・サースガード、レオニー・ベネシュほか
原題:September 5
配給:東和ピクチャーズ
©2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
公式サイト:https://september5movie.jp/