平成1作目『仮面ライダークウガ』25周年 令和ライダーにも与えた影響、革新性を振り返る

『仮面ライダークウガ』の革新性を振り返る

 そしてクウガが平成から令和に至る『仮面ライダー』シリーズにもたらした発明に、フォームチェンジがある。様々な敵に対抗するため、臨機応変に武器と身体能力を変化させるのだ。ヒーローが体色と外見をわずかに変える手法は、円谷プロの『ウルトラマンティガ』(1996年)で既に試みられているのだが、徒手空拳の戦闘スタイルが基本のティガと異なり、クウガはボウガンや剣など手持ちの武器も変わる特色を持っている。穿った見方をすればフォームチェンジとは、単体ヒーローから複数のキャラクター商品を生み出すマーチャンダイジングの都合で生まれたものだろうが、結果的には子どもたちの目を楽しませて作品の盛り上げに貢献している。現在放送中の『仮面ライダーガヴ』でも、これは健在だ。

 このように本来は子どもをメインターゲットとする『仮面ライダー』に於いて、プロデューサーの髙寺成紀が子ども向けの甘い味付けにすることなく、暴力をふるうことの恐ろしさ、誰だって綺麗ごとが好きなのだからそれでいいじゃないかという肯定の優しさ、そして争いのない世界を目指そうよという真っすぐなメッセージを真摯に伝えたことは特筆に値する。20余年も過ぎた今でこそ当たり前になっている平成~令和ライダーの設定や展開の中には、クウガが礎を築いた物も多い。まさにクウガなくして今日の仮面ライダーの拡がりはなかったであろう。

『仮面ライダークウガ』25周年記念『超クウガ展』開催決定 立木文彦ナレーションの特報も

『仮面ライダークウガ』の放送25周年を記念して、『超クウガ展』が日本国内とアジアにて開催されることが決定した。  『平成仮面ラ…

 1971年という昭和に生まれた『仮面ライダー』と同じように、平成の1号ライダーとして誕生した『クウガ』も25周年を迎える。それを記念して『超クウガ展』の開催が発表された。今年6月の東京会場を皮切りに、福岡、名古屋、大阪の4大都市を巡回し、2026年にはアジア圏での開催も予定されている。初公開の貴重な資料が展示されるというこの催し、リアルタイムで『クウガ』に心燃やした人はもちろん、当時は生まれていなかった世代の特撮ファンも、偉大な歴史に触れる意味でも是非足を運んで頂きたい。

■開催情報
『超クウガ展』
会場・会期:6月〜東京会場開催以降、福岡・名古屋、大阪巡回、2026年アジア圏開催予定
公式サイト:https://kuuga25th.com/
公式X(旧Twitter):@kuuga25th_ten
©︎石森プロ・東映

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる