清野菜名、『119』ヒロインの必然性 30代を迎えた今振り返たい演技の“幅の広さ”

清野菜名、ドラマ『119』ヒロインの必然性

 救急医療の現場に海上保安庁、気象庁、そして山岳医……と命の最前線を描いた作品には、他人事ではないリアリティが織り交ぜられていて、思わず釘付けになってしまう。1月13日から始まる月9ドラマ『119 エマージェンシーコール』(フジテレビ系/以下、『119』)もそんな人気作品の仲間入りになるのではないだろうか。

 『119』はそのタイトルの通り、助けを求めて119番に電話をかけてきた人々の声を最初に受け取る消防局の指令センターが舞台。主人公・粕原雪は銀行を辞めて消防局に入った新人で、一度聞いた声や音を記憶しておける能力を持っている。そんな雪を演じるのはアクション女優としても名高く、本作でゴールデンプライム帯初主演を果たす清野菜名。今まで彼女が演じたキャラクターや彼女自身の姿を想像してみると、明るく華やかな笑顔が思い浮かぶ。

 『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)ではひょんなことから坂口健太郎演じる柊と契約結婚をすることになる明葉を熱演。契約結婚を決意した理由には、自分を大切に育ててくれた祖母への配慮があり、その他のシーンでも他人を思いやる姿が印象的に映った。『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』(読売テレビ・日本テレビ系)では複雑な家庭環境と双子の姉を亡くしたトラウマを抱えるレン、そして“ミスパンダ”として世の中の“クロ”を成敗する姿を軽快なアクションと共に演じた。内気なレンと、やんちゃな“ミスパンダ”を演じ分け、同一人物なのかと驚かされるほどのギャップを見せてくれた。

 さらに、記憶に新しいドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系)では、どこか人生に飽き飽きしている主人公に。清野の天真爛漫なイメージとはまたひと味違う、誰もが抱える「このままでいいのかな」という気持ちを滲み出しているキャラクターで、共感するところが多く、30歳を迎える彼女の女優としての新たな一面を見てしまったという感覚もあった。

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