高梨謙吾「先生は一言でいうと“ちょろい”」 『村井の恋』日笠陽子との収録で生まれたもの

日笠陽子、高梨謙吾は「すごく村井だった」

 島順太原作の漫画『村井の恋』がアニメ化された。

 「鉄仮面の鉄子」と呼ばれる女教師・田中。しかし、実は乙女ゲームオタクでゲームのキャラクター・春夏秋冬(ヒトトセ)に一筋だ。そんな田中に思いを寄せるのが、教え子で変わり者の男子高生・村井。村井からの告白を一蹴した田中だったが、翌日、髪型を変えてきた村井が実は春夏秋冬とそっくりで……。村井の変化をきっかけに田中の生活も変わっていく。

 ドラマCDに続き、村井を高梨謙吾、田中を日笠陽子が演じる。実写化も経て、原作も完結。そんな中でふたりがどのように収録に挑んだのか、話を聞いた。

日笠陽子「成長した高梨くんと村井がリンクしたアニメ」

(左から)高梨謙吾、日笠陽子

ーー本作に初めて触れたときの印象をお聞かせください。

高梨謙吾(以下、高梨):初めて触れたのは、ドラマCD制作のときでした。そのときに原作を読ませていただいたんですけど、「こんな作品があったのか!」という衝撃が大きかったです。それまであまりコメディが際立った作品に触れてこなかったですし、演じてもこなかったので、すごく新鮮な気持ちでやらせていただきました。

日笠陽子(以下、日笠):私も高梨くんと同じでドラマCDで初めて演じさせていただきました。そのときも一緒にアフレコしたのですが、そのときの高梨くんはとてもおとなしかったです。

高梨:ははは!

日笠:それがすごく村井っぽいな、と思いながら演じていました。それがアニメになって、この全12話だったり、原作を最後まで読んでみると、芯のある男性にどんどん成長した高梨くんと村井がリンクしていくのをアニメになってより感じました。すごく、村井だったよね。

高梨:ですって!

ーー拝見したんですけど、村井でした(笑)。

日笠:ですよね。初めて出会ったのはドラマCDの現場でしたけど、そこからいろんなメディア展開を経て今回のアニメ化があるので、その変化も楽しんでもらえるのではないかなと思います。

ーーすごくテンポが良い作品でした。アフレコの際にどういったことをお話されたんですか?

高梨:まず「久しぶり」というところから入って。やっぱり音声だけのドラマCDのときとは違いましたね。映像があったり、原作も完結した状態からのスタートだったので、情報量がやっぱり多くて。役者だけだとどうしても一方的な目線になりがちなのですが、スタッフさんや、クリエイターの方々みんなでどういう方向性に作っていくのかを両者探り合いながら固めていった感じがありました。現場ではわりと活発にコミュニケーションをとっていました。

日笠:そうだね。

高梨:こういう作品のテイストだからこそ一緒に録れたことがすごく大きかったです。もちろん用意された映像があって、テンポ感があってセリフの尺があって、というところではありますが、掛け合いをすることで生まれるものがやっぱり圧倒的に大きいですし、この作品は掛け合いじゃなきゃ録れないだろうなと思いました。

日笠:私、さっきまで別の取材をさせていただいていたんですけど、そのときに言ったことと、いま高梨くんが言ったことが一緒でなんだか嬉しくなっちゃいました。自分たちでもスタッフさんが考えていることを察しようと考えましたし、逆にスタッフさんは私たち役者側が考えた演技を活かすよ、と思いながらやってくれているのを感じていました。もちろん合わせる努力もするのですが、「ノってきたら気にしねぇぜ!」みたいな。

高梨:ある意味、戦いみたいなところはありましたよね。

日笠:そう! スタッフさんと演者側もぶつかり合いながら、役者同士も言葉にせずともやってやるぜ、みたいなのを持っていた人たちばっかりだったんですよね。細かなアドリブとか、「ここ入れる?」だとかは最低限ありましたけど、実際やってみて、ぶつかってみて、というところも大きかったです。でもとにかく、同じ気持ちを感じてくれていたんだな、ってこうやって取材で知れて嬉しかったですね。

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