『光る君へ』吉高由里子の“感情の重なり”をもたらす名演 ラストに倫子の強烈な一言も

『光る君へ』“哀しくとも”歩み続ける人生

 とはいえ、まひろの無事を喜ぶ家族の前でも、彰子(見上愛)の前でも、旅の話をすることはできなかった。為時(岸谷五朗)や彰子から大宰府での出来事を問われる場面で、吉高は気まずそうに視線をそらしたり、顔をこわばらせたりしていた。しかし周明の死を想起させるその演技があるからこそ、“哀しくとも”人生を歩み続けるまひろの姿がありありと感じられる。

 物語の終わり、まひろは土御門殿で道長と顔を合わせる。道長が出家する前、「会えたとしても……」「これで終わりでございます」とまひろは別れを告げていた。2人は言葉もないまま見つめ合う。倫子(黒木華)がまひろを呼んでいると女房が知らせに来たこともあり、2人は言葉を交わすことなくその場で別れるが、道長がまひろの無事を感じ入っていたのと同じように、まひろもまた目の前にいる道長を見て、どこか安堵したはずだ。

 そんな第47回は、倫子が唐突にまひろと道長の関係について尋ねて幕引きとなった。

「あなたと殿はいつからなの?」
「私が気付いていないとでも思っていた?」

 いよいよ次週、『光る君へ』は最終回を迎える。倫子の問いかけに、まひろは何を話すのだろうか。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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