『わたしの宝物』真琴のまさかの行動に騒然 あまりにも悲しすぎる“宏樹”田中圭の泣き顔

『わたしの宝物』悲しすぎる宏樹の泣き顔

 ハーフバースデーの記念写真を撮るために栞と美羽をスマホ越しに覗きながら、今まさにその隣でフレームインして「家族写真」「親子写真」を撮ろうとしている自分にだけ実際には血縁関係がないことを改めて突き詰けられたのかもしれない。どれだけ家族のように振る舞っても、元々美羽と栞で完結していたところに本来いなくてもいい自分が付属品のようにそこに収まろうとすることに、虚無感や疎外感を感じたのかもしれない。あるいはこんなに幸せに違いない家族なのに、最も肝心なことは何一つ話せず、打ち明けられない関係性の矛盾に、目を逸らし続けられなくなったのかもしれない。

 真琴のタガが外れたように、宏樹の中で限界を迎え何かが決壊した。大事だからこそ決定的なことを切り出せず、きっと美羽が自己保身のために秘密を打ち明けないのではなく、本当に今ある家族の形を大切にしたいと思っている気持ちに嘘偽りがないことも重々わかっているからこそ、様々な言葉を飲み込み「泣き虫」という一言に集約させた宏樹の泣き顔は、あまりに悲しかった。

 疑惑を抱きながらも核心に触れるような会話を美羽にできず、彼女の顔色ばかり窺っている宏樹を見ると、子どもが生まれる前とにかくモラハラが酷い宏樹の顔色を常に窺っていた美羽と、完全に立場が逆転していることに何とも言えない気持ちになる。

 「心の中ってさ、自分の思い通りにならないな」とは冬月が漏らした言葉だが、神崎夫婦本人だけでなく、彼らに関わる人全員に言えることだ。栞から片時も離れず幸せそうに面倒を見て、娘の存在がきっかけで心を入れ替え働き方も変えて全てが好転した宏樹は正真正銘の父親だと思える。しかしもう巻き戻せない時間の残酷さや過去の自身の言動が招いた結果を思うと、美羽に怒りをぶつけられるはずもなく、どんどん自分の心に青たんを作るしかない宏樹がついによからぬ行動を取ってしまう。

 完全に様々なバランスや人間関係が崩れ始めた中、皆それぞれの“宝物”をどんなふうに守り抜こうとするのだろうか。

■放送情報
木曜劇場『わたしの宝物』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:松本若菜、田中圭、深澤辰哉、さとうほなみ、恒松祐里、多岐川裕美、北村一輝
脚本:市川貴幸
主題歌:野田愛実「明日」(avex trax)
演出:三橋利行(FILM)
プロデュース:三竿玲子
制作・著作:フジテレビ
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/takaramono/
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