ユースケ・サンタマリアが体現する“ザ・刑事”の姿 『踊る』シリーズから『全決』まで

ユースケが体現する“ザ・刑事”の姿

 奇しくも現在、多彩なエンターテイナーであるユースケが俳優としての確固たる地位を築いた『踊る大捜査線』シリーズの関連作品が順次再放送されているところだ。誰もがご存知のとおり、同作は刑事ドラマに分類されるもの。ユースケが演じているのも刑事だ。やがて物語が展開していく過程で階級や役職も変わっていき、ユースケが演じる真下正義を主人公に据えた『交渉人 真下正義』(2005年)も制作された。同作は11月9日に再放送されるらしい。

 タイトルから分かるとおり、真下は「交渉人(ネゴシエイター)」だ。いまから20年近くも前の作品で、ユースケにとってはこれが初主演を果たした映画。「交渉人」ということもあって、「ザ・刑事」とはまた違う。荒波健吾と真下正義を見比べてみるのも面白いのではないだろうか。

 さて、荒波は「全決」に敵対心を抱いていると記したが、興玉たちが捜査現場にやってくると、何だかんだで彼は協力する。どこか浮世離れしたところのある主人公が事件を解決に導くこの手の作品には、ちょっとした摩擦を起こす刑事が必ず登場するものだ。石原さとみが主演を務めた『アンナチュラル』(2018年/TBS系)などを思い返せば分かりやすいかもしれない。

 刑事然とした「ザ・刑事」な荒波が、個性を出す機会はやってくるのだろうか。そんな機会があるのだとすれば、それはユースケの演技が変質する瞬間である。そこからまた一気に本作は面白くなるのだろう。

■放送情報
『全領域異常解決室』
フジテレビ系にて、毎週水曜22:00~22:54放送
出演:藤原竜也、広瀬アリス、柿澤勇人、福本莉子、小宮璃央、成海璃子、迫田孝也、ユースケ・サンタマリア、小日向文世
ゲスト:志田未来、吉村界人、工藤美桜、林泰文、清乃あさ姫、山口紗弥加、森下能幸、山田キヌヲ、神保悟志
脚本:黒岩勉
プロデュース:成河広明、大野公紀
演出:石川淳一
音楽:小西遼
オープニングテーマ:清水美依紗「TipTap」(ユニバーサル ミュージック)
エンディングテーマ:TOMOO「エンドレス」(IRORI Records/PONY CANYON inc.)
制作協力:共同テレビ
制作著作:フジテレビ
©フジテレビ
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