“無断生成AI利用”に対して消費者がすべきことは? 梶裕貴が出した“先回り展開”の回答

AIコンテンツ販売の先回り

 一つの回答は、「先に商品化してしまう」ことである。

 「NOMORE無断生成AI」にも参加した声優・梶裕貴は、自身の声をオフィシャルに活用できる音声AIプロジェクト「そよぎフラクタル」を展開している(※4)。また大手声優事務所として知られる青二プロダクションは、AI音声プラットフォームを手掛けるCoeFontとAI音声技術を活用したグローバル戦略を展開するためのパートナーシップを締結。野沢雅子や銀河万丈らの音声データから多言語化したAI音声を作成し、海外における音声アシスタントなどのプラットフォーム向けに提供していくという。

 あるいはロックバンドを題材にしたメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』シリーズは、同シリーズの人気声優、愛美と相羽あいなの声質をリアルに再現したAI歌唱ソフト『夢ノ結唱POPY・ROSE』が一般発売されているなど(※5)、生成AI音声の商品化は一般化しつつある。

 梶が「あえて私の声を持つ『梵そよぎ』を解禁することで、“正しい音声AIの在り方”を証明できるのではないかと考えた」(※4)と語るように、あえて公式に商品化することで無断利用への牽制を図ることができるだろう。また、商品化されたAI音声に正しく(ある種の「推し活」として)お金を使うことは、いち消費者にすぎない我々が正攻法として抵抗しうる一つの手段でもある。

参照
※1. https://wired.jp/article/scarlett-johansson-v-openai-could-look-like-in-court/
※2. https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/pdf/93903601_01.pdf
※3. https://w.atwiki.jp/genai_problem/pages/27.html
※4. https://animeanime.jp/article/2024/05/24/84500.html?utm_source=animeanime.jp&utm_medium=article&utm_content=linkcard_1KO9VBX5
※5. https://yumenokessho.bang-dream.com/

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