唐田えりか×剛力彩芽、“信頼感”で乗り越えた『極悪女王』の挑戦 お互いの印象に変化も
配信開始から日本のNetflix週間TOP10(シリーズ)3週連続1位を獲得するなど話題沸騰のNetflixシリーズ『極悪女王』。ダンプ松本役で主演を務めたゆりやんレトリィバァと共に称賛の声が寄せられているのが、長与千種を演じた唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽だ。“クラッシュ・ギャルズ”として共に困難な撮影に挑んだ唐田と剛力の2人に、役作りの裏側やお互いの存在について語ってもらった。【インタビューの最後にはコメント映像あり】
唐田「長与(千種)さんに導いてもらった部分がたくさんある」
ーー撮影休止を挟むなど長い道のりだったと思いますが、完成した作品をご覧になっていかがでしたか?
剛力彩芽(以下、剛力)みんなでよく頑張ったなって。キャスト・スタッフ含めて、この作品に携わった人たちがみんなで積み上げてきたものの集大成だなということをものすごく感じました。誰1人欠けてはいけない作品だったなと。
唐田えりか(以下、唐田):私もまさに同じような気持ちになりました。 レスラー役のみんなも、この作品にかける思いが強い子たちばかりだったので、その熱量の高さに圧倒されましたし、そういう力の大きさを感じました。
ーーハードなアクションに挑んだり、露出の多い衣装を着たりという部分に抵抗はありませんでしたか?
剛力:私は脚本を鈴木おさむさん、監督が白石和彌さんというのお聞きして、ぜひやりたいとまず思いました。それに、お話をいただいたのがちょうど独立した時期で、しかも撮影に入るのが30歳になるタイミングだったんです。タイミング的にも、新しいことに挑戦するのにベストというか、今までのイメージになかった自分を見せたいと思っていたときにちょうど今回のお話をいただいて。このタイミングでこんなチャンスはないと思って、オーディションを受けさせていただきました。
唐田:私はもともと長与さんのことはよく存じ上げていなかったのですが、オーディションを受けるにあたって過去のインタビュー記事を読んだり長与さんのことを調べていくと、自分自身と近いところがすごくたくさんあることに気づいたんです。長与さんのことを知っていくうちに、本当に自分のことのように思えてきて、「絶対にこの人を演じたい」という強い気持ちが芽生えていきました。オーディションの時点で、体を大きくしなければいけないとか、坊主にしなきゃいけないという条件はあったのですが、そういうことよりも長与さんを演じることへの思いのほうが強かったです。オーディションでは12人役があって、誰がどの役を演じるかはわからなかったんですけど、私は勝手に自分の中で長与さんの役に狙いを定めて挑んでいたくらい、気持ちが入っていました。
ーー役作りにあたって、お2人とも10kg近く増量されたそうですね。
剛力:私は10kgほど増やしました。ありがたいことに栄養管理師さんとトレーナーさんについていただき、月に1回定期検診もあったので、そこは安心しながらできました。私は量をあまり食べられなかったので、どういうものを食べたらいいか、そのあたりのアドバイスは常にいただいていたんです。そういう環境があったからこそ挑めたところも本当に大きかったですね。
唐田:私も半年くらいで10kg増やしました。増量のペースも本当に人それぞれで、その人に合わせたトレーニングや食事の摂り方を教えていただきながらサポートしてくださったので、すごくありがたかったです。ただ食べればいいというわけではなく、トレーニングも一緒にやっているので運動量も多くて、消費カロリーが本当にすごかったんですよね。いっぱい食べても同じくらい運動をしているので、その倍食べなきゃいけないという。そこが一番大変でしたね。トレーニングしているか、食べているか、寝ているかの毎日でした。
ーーお2人ともドラマの舞台となる1980年代は経験されていませんが、当時の空気感を生み出すにあたって何か意識したことはありましたか?
剛力:YouTubeとかで映像をたくさん見たり、あとはやっぱりスーパーバイザーとして入ってくださっている長与さんに直接お話を聞いたりしました。
唐田:みんなそれぞれ演じる方を研究していて、ものすごくなりきっていましたね。キャラがそのまんますぎるというか。
剛力:「最初は似てなかったはずなのにいつのまにか似てきてる!」みたいな(笑)。
唐田:そうそう! ものすごく不思議でしたね。
剛力:長与さんが試合のシーンの現場に見に来てくださっていたので、本人を演じる唐ちゃんは一番緊張するだろうなと思って見ていました。
唐田:長与さんが現場に来てくださる日はそれだけで緊張感が増すんです(笑)。でも緊張感はありつつも、お話しするとご本人はすごくチャーミングな方で。長与さんも含めてみんな仲間というか、同じ方向を目指している熱量はものすごく感じました。
ーー長与さんご本人から言われて嬉しかった言葉はありますか?
唐田:撮影前に長与さんと話していて、「唐田えりかから出てくるものがあれば大丈夫。それが長与千種だから」ということをおっしゃっていただいて。長与さんご自身も、「リングに上がるときだけは強い人でいたかった」と言葉にされていたんですけど、私自身とも重なる部分があって。現場に入る前はプロレスラーの役を演じることがまったく想像できなかったんですけど、自分を信じていれば自ずと出てくるものがあるんだなと感じました。長与さんに導いてもらった部分が本当にたくさんあります。
ーー剛力さんはライオネス飛鳥さんと直接お会いされたんですか?
剛力:何度か撮影現場にいらしてくださりお話しさせていただきました。飛鳥さんはプロレスの試合もほぼ観に行かないらしいんですよ。それは、もう世代交代をしていて、次の世代の子たちにバトンを渡しているから、自分が何か言うことは一切ない、ということらしくて。それがめちゃくちゃカッコいいなと思ったんですよね。あとはやっぱり長与さんと飛鳥さんの2人が揃うと、一瞬にして空気が変わるんです。後楽園でお2人が久しぶりに一緒にリングに上がってくださったんですけど、エキストラのみなさんも大感動で、ものすごい瞬間に立ち会っていることを実感しました。