『虎に翼』“美佐江さん”のその後が明らかに 桂場VS航一の尊属殺を巡る激しい押し問答も
そして先述したように、美佐江の真相については、少年部を訪ねてきた和服の女性・並木佐江子(辻沢杏子)=美佐江の母から明かされることになる。つまりは美雪は美佐江の娘だったのだ。美佐江は美雪が3歳になった頃に車に轢かれて亡くなっている。美佐江が最期に残した言葉が記された手帳。そこには「美雪 愛してあげられなくてごめんね」と書かれ、以降は白紙のページが続く。突如、赤い腕飾りの栞が挟まれたページに絶句する寅子。そこには美佐江の文字でこう書き殴られていた。
私は確かに特別だった
私が望めば全てが手に入った
全てが思い通りになった
盗みも身体を売らせることもできたけど、この東京で私はただの女にすぎず
掌で転がすはずが知らぬ間に転がされていた次々に沸く予期せぬことに翻弄された
身籠れば 特別な何かになれるかと期待したが無駄だった私の中に辛うじて残る
『特別な私』が消えぬうちに消えるしかないあの人を拒まなければ何か変わったのか?
あの人は私を特別にしてくれたのだろうか?
寅子の脳裏に浮かぶのは、あの日、優未(竹澤咲子)を美佐江から庇ってしまった時のこと。あと一歩だった。私のせいで。深い絶望に打ちひしがれる寅子。手を差し伸べられなかった後悔が寅子を向かわせるのは、次週予告にも映し出されている美佐江の娘・美雪のもとである。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、森田望智、高橋努、平埜生成、三山凌輝、名村辰、松川尚瑠輝、美山加恋、中村無何有、矢島健一、沢村一樹、滝藤賢一、松山ケンイチ
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK