田牧そら、視聴者を圧倒する“目”の演技 『スカイキャッスル』の転換点となる重要人物に
韓国で2018~2019年に放送され、社会現象を巻き起こした大ヒットドラマ『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』の日本版リメイク『スカイキャッスル』(テレビ朝日系)で、韓国版のヘナにあたる未久役を演じている田牧そら。未久は、主人公・紗英(松下奈緒)の家族を翻弄することになるキーパーソンで、田牧は抜群の演技力で未久を体現している。
DNA鑑定の結果、居候させている苦学生の未久が、夫・英世(田辺誠一)の実娘だと知ってしまった紗英。受験勉強に必死になり、神経質な状態が続く長女・瑠璃(新井美羽)には絶対に知られてはならないため、紗英はこの重大な秘密を未久にバラされないように、家の中で好き勝手に振る舞い始める未久を看過するしかなかった。
母子家庭で育ち、苦労しながら成長してきた未久。病気の母の看病や、高額な治療費を賄うためのバイトに追われながら、医師を目指して独学で勉強してきた彼女は、成績トップ争いの常連組になるほど賢い中学3年生だが、最愛の母が亡くなり悲しみに暮れる。実父が英世だと知った未久は、策をめぐらせて紗英の家に入り込み、ジワジワと英世との距離を縮めていく。
未久役で視聴者に強い印象を与えている田牧は、現在18歳。生後半年から赤ちゃんモデルとして、数多くの広告に出演し、2011年に『マドンナ・ヴェルデ〜娘のために産むこと〜』(NHK総合)でTVドラマデビュー。
2015年、カメラのCMで、小栗旬が演じる父親に向けた“嘘泣き”演技が注目を浴びた。筆者もそのCMをよく覚えており、あれが田牧だったのかと思うと感慨深い。同年、『連続ドラマW テミスの求刑』(WOWOW)、『ホテルコンシェルジュ』(TBS系)、『ウルトラマンX』(テレビ東京系)など、次々とTVドラマに出演した田牧は、その後も途切れることなく出演作を増やしていった。
2019年の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(テレビ朝日系)では、一ノ瀬颯、綱啓永、尾碕真花、兵頭功海など、現在売れっ子へと成長した俳優たちと共演し、兵頭が演じたカナロの妹・オトを好演した田牧。2020年には、『AI崩壊』や『ドクター・デスの遺産―BLACK FILE―』といった大作映画でも活躍した。