『虎に翼』片岡凛の“怪演”でサスペンスな展開に 涼子と玉の“これまで”を知った寅子

『虎に翼』片岡凛の“怪演”で漂う緊張感

 玉の思いが胸を打つ回となった第83話だが、物語後半では緊張感の漂うサスペンスな展開に。

 父・森口(俵木藤汰)とともに寅子のもとを訪れた美佐江(片岡凛)は、寅子に赤い腕飾りを手渡し、「先生は、私の特別です」と言った。そんな折、寅子は傷害事件に関わっている元木(山時聡真)や自首してきた若者が、男女問わず赤い腕飾りをしていることを知る。赤い腕飾りという共通点だけでも嫌な予感を覚えるが、寅子が当初から引っかかっていた美佐江の「特別」という言葉がさらに不穏さを掻き立てる。

 美佐江は志望大学の相談のため、再び寅子のもとを訪れた。美佐江は事件とつながっているのか。寅子が美佐江に赤い腕飾りについて追及すると、美佐江は突然赤い腕飾りを引きちぎり、「ごめんなさい。用事を思い出したので、今日は帰りますね」と礼儀正しくその場を立ち去った。

 突如と赤い腕飾りを引きちぎったことも驚きだが、その前後でほとんど表情を変えず、品性のある佇まいのままだったことがかえって恐ろしい。美佐江を演じる片岡の、引きちぎる寸前に見せた面持ちと、その後寅子に笑顔を向ける直前の表情の冷たさに痺れる。

 美佐江は事件に関与しているのか。涼子と玉の物語と同様に、目が離せない展開が続く。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、羽瀬川なぎ、片岡凜、遠山俊也、田中美央、望月歩、堺小春、岡部ひろき、筒井真理子
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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