松田元太、『東京タワー』で“落ちる”視聴者続出!? 永瀬廉演じる透との対比が生む面白さ
今期ドラマの中でもSNSを筆頭に話題を集めているのが『東京タワー』(テレビ朝日系)だ。本作は江國香織の同名人気小説が原作で、2005年には岡田准一が主演で映画化された珠玉のラブストーリー。今回、19年ぶりに映像化された。
主演を務めるのは永瀬廉。今作が恋愛ドラマ初主演作であり、これまでとはまた異なる落ち着きと艶っぽさのある演技で魅了する。そんな永瀬演じる透と共に、注目を集めているのが耕二役を演じる松田元太だ。バラエティ番組で見せる姿とは打って変わり、俳優としての顔に驚きの声が寄せられている。本稿ではそんな松田の芝居に着目してみたい。
隙あらばドッキリにかけられているイメージの松田。ご存知の通りTravis Japanのメンバーで、グループの武器である磨き上げたダンススキルに加え、ボーカル面でも存在感を発揮。バラエティ番組に出演すればお笑い芸人を凌駕する勢いで笑いをもらたし、SNSでは“九九ニキ”、“干支ニキ”と呼ばれるなど、様々な角度から人々の腹筋を震わせてきた。そんなユニークなキャラクターの松田だが、実は芝居にも定評がある。
松田は、2015年放送のドラマ『お兄ちゃん、ガチャ』(日本テレビ系)第8話にネガティブなお兄ちゃん・ネガ役として出演したほか、2020年10月期放送のドラマ『監察医 朝顔』(第2シーズン)で初のフジテレビ月9ドラマに出演。2022年には福本莉子とのW主演で映画『君が落とした青空』で映画初出演を果たしたほか、2023年9月期放送のドラマ『結婚予定日』(MBS)では、感情を表に出さない難しい役どころを見事に演じ、松田の俳優としての実力を知らしめた。
『結婚予定日』で松田が演じた結城真臣は、営業部一のイケメン社員で、ビジネススーツを着こなしたクールな性格。しかし感情が表に出ないがゆえに、社内では“AI”呼ばわりされるほど掴みどころのないキャラクターだった。大原櫻子が演じる佳子が、29歳の誕生日直前に恋人に振られてしまい、たまたま偶然居合わせた結城が「1年でお相手ができなければ、私と結婚しましょう」とプロポーズをする。まさに結婚予定日を決めてから始まるラブストーリーだった。
不器用ながらも少しずつ心を通わせていく2人。感情的ではない性格だけに、頬の動きを最小限に留めた様子で、あたたかく丸みのある声や、優しい視線など、繊細な芝居で演じてみせた。