『Eye Love You』恋人になった侑里とテオの愛しい時間 真尋の心を解きほぐした花岡の言葉
侑里の能力を知った真尋がとっさに感じてしまった「怖い」という本音。侑里は「やっぱり……」と涙がこみ上げ、逃げるように立ち去った真尋に掛ける言葉がみつからない。また、真尋も自分の行動が侑里を傷つけてしまったに違いないと落ち込む。せっかく勇気を振り絞って秘密を話してくれた親友。“いつから全部聞こえてたの?”“心の声を聞いてどう思ってたの?”……と、疑心暗鬼になることは簡単だ。ネガティブにとらえ始めたらキリがない。
けれど、侑里がそんな人間ではないことを誰よりも知っているのも真尋だ。近くで過ごしてきたからこそ、その事実を受け止めるのにも時間がかかるのもうなづける。そんな混乱した真尋の気持ちを整理し、2人が仲直りをするいいきっかけをくれたのが花岡(中川大志)だった。前回は、お互いを想い合っているのにすれ違う侑里とテオがうまくいくようにアシストした花岡。それも、侑里に対して長年の恋心を抱いていたにもかかわらずだ。そんな花岡に、侑里の話を直接相談することはできないと考えた真尋は、予想外のバックボーンを持つ例え話として「私が未来から来たって言ったらどうしますか?」と遠回しに意見を仰ぐ。当然、花岡にとっては突拍子もない質問なのだけれど、彼の答えはいつだって明快だ。
「未来から来てても、どこから来てても、俺にとっては真尋は真尋ってこと」と、どんなに自分の知らない一面があったとしても、それは今まで自分が見てきた真尋という人物への信頼もイメージも何も変わらないと言い切る。その言葉の奥底には侑里がテオと付き合うという大きな変化があったとしても、自分にとって大切に思ってきた侑里は変わらないという想いも見え隠れしているようも感じてしまった。花岡の株が上がるほど、彼には幸せになってほしいと切なくなるばかり。
一方で、怖がらせてしまった真尋とどう向き合えばいいかわからなくなった侑里の背中を押したのはテオだった。「大丈夫、僕がいるから」その心の声が侑里に力を与えたのだが、この言葉を聞いたときのやりとりがどうも引っかかった。一度、韓国語でつぶやいた後、侑里が左耳に手を当てた瞬間に何かを察したように微笑んで、侑里の目を見つめて日本語で思い直していたように見えたからだ。
2人で最後にご飯を食べた日についてを思い出しながら、テオの心の声にリアクションしてしまった侑里のことも、怪しんだり驚いたりはしない。むしろ、慌てる侑里をなだめるようにしていたテオはひょっとしたら、もうすでに侑里が心の声を聞くことができることをテオは気付いているのではないだろうか。そうしていつも安心感を与えてくれるテオをますます失いたくないと願う侑里だが、そんなときにテオの部屋で見つけた『心が聞こえる少女』というタイトルの絵本を見つけて愕然とする。そこに描かれていたのは、驚くほどに侑里とテオのこれまでの出来事とリンクしていたからだ。
この瞬間、テオのことがわからない怖さがよぎったのではないか。しかし、その怖さは相手のことをわかっているはずだと思うからこそ生まれものなのかもしれない。真尋とのこともそうだ。侑里のことをある程度知っているという自負があるからこそ、そうではない部分を明かされて動揺してしまったのだろう。だが、もともと人と人は花岡が言うようにわからなくて怖いものなのだ。だから、どういう人なのか知ろうとするし、伝わってほしいと望む。侑里とテオは、お互いのことをまだ何も知らないと言ってもいい。なじみのある早口言葉だって、昔遊びだって全然違う環境で育ったし、そうしたわかりやすい背景の違いを楽しめる段階だ。
そして、これから少しずつ出会う前のことを共有していくことになる。その先には、まだ見ぬそれぞれの一面を受け止め合っていくプロセスが待っていることだろう。それは、怖さを乗り越える過酷な試練になるかもしれないけれど、本当に愛し合うためには必要なもの。2人なら、絵本に描かれたような不幸な運命にはしないと信じて見守りたい。
■放送情報
火曜ドラマ『Eye Love You』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:二階堂ふみ、チェ・ジョンヒョプ、中川大志、山下美月、清水尋也、立川志らく、ゴリけん、鳴海唯、絃瀬聡一、杉本哲太
脚本:三浦希紗、山下すばる
演出:岡本伸吾、福田亮介、加藤亜季子
プロデュース:中島啓介、車賢智、佐井大紀
主題歌:Omoinotake「幾億光年」(Sony Music Labels)
編成:平岡紗哉、髙田脩
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/EyeLoveYou_tbs/
公式X(旧Twitter):@eyeloveyou_tbs
公式Instagram:eyeloveyou_tbs