『ブギウギ』登場の“条映”は『カムカム』CPからの後押しが 愛子役・小野美音起用の裏側も

『ブギウギ』と『カムカム』の連携裏話

 現在放送中のNHK連続テレビ小説『ブギウギ』。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。

 昭和24年夏、「東京ブギウギ」に続いて『ジャングル・ブギー』でもヒットを飛ばしたスズ子は、仕事に家事に育児に大忙しの毎日を過ごしていた。第97話では愛子が成長し、演者が赤ちゃんから小野美音へとバトンタッチ。キャスティングはオーディションで決定したといい、制作統括の福岡利武は「ピカイチに“愛子感”が光っていました」と振り返る。

左から、福来スズ子(趣里)、愛子(小野美音)

「演技経験はそれほどないそうですが、事務所の方が『すごい逸材が入ってきました』とおっしゃっていたのが印象的でした。しっかりと(演技の)指導を受けているので、度胸がいいと言いましょうか、堂々としている。芯のあるお芝居が良かったですね」

 ひとつ気になるのは、昭和22年生まれの愛子はまだ2歳頃であること。演じる小野は6歳だが、福岡は「2歳の子にあそこまでのお芝居はできませんので、ドラマとして楽しんでほしい」とした上で、「まだ言葉もあまり喋らず、自由気ままな年齢であることを描ければ、と思っていました。朝ドラという短い撮影時間の中で、このお芝居を成立させるためには限界がありますので……。なにより、明るくてチャーミングで、お芝居も素晴らしいと思っています」と、年齢設定を超えた小野の起用理由を明かした。

 小野は趣里とも相性がよく、撮影裏でも楽しげに過ごしていたといい、「愛子ちゃんがとにかくかわいいので、空いている時間に趣里さんはいっしょにお菓子を食べたりしながら、たくさんお喋りしていました」。さらには「この先も、ものすごく良い親子の場面があるので、楽しみにしていただきたいです。見ているこちらの感情を引っ張っていくようなお芝居をしてくれています」と期待を煽った。

 そんな愛子を育てながら、スズ子はタナケンこと棚橋健二(生瀬勝久)との映画撮影に奮闘する。第99話では「歌も映画もやなんて、中途半端になってしもうてるんかな」と嘆くスズ子に、棚橋が「続けるしかない。邪魔されようが誤解されようが、芸で伝えるしかない。生き方でわかってもらうしかない」とアドバイスを送る。

 その意図について福岡は「とにかく芸、結果で勝負する棚橋さんですので、理屈を考えるでもなく、何を言われてもスズ子は歌で勝負するんだ、と。スズ子が揺らぎ、迷い、ぶつかっていく中で、信頼関係があり、スズ子のことをよく見えている棚橋先生のいい言葉だったなと思っています」と語る。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる