古川琴音、2本の主演映画で分かる芝居の奥行き 2024年はさらなる飛躍の予感

古川琴音、2024年はさらなる飛躍の予感

 注目は、本作の撮影が2019年だということ。『みなに幸あれ』と後述する『幽☆遊☆白書』(Netflix)がどちらも2022年11月頃であり、古川の出世作となった朝ドラ『エール』(NHK総合)の放送開始が2020年3月であることからも、『雨降って、ジ・エンド。』にはブレイク前夜の古川の芝居が収められているとも見てとれるのだ。今よりもどこかあどけなさが残る一方で、すでに演技力は確立されていることに驚かされる。

Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』Netflixにて配信中

 2023年12月より配信開始となったNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』では、霊界案内人役のぼたんを演じた。浦飯幽助(北村匠海)をサポートする付き人として、原作同様に本作でも白石聖が演じる雪村螢子を上回るほどの出演時間を誇っている。「ちょいと待ちなよ」「〜してしまうよ」といったセリフを筆頭に、ほかのキャラクターにはない少し変わったイントネーションと本作を明るくするある種のムードメーカーとしての茶目っ気など、役作りの難しい演技が要求されると想像するが、『雨降って、ジ・エンド。』からすでに見られたあどけなさが残る古川の声がぼたんとしての役を形成しているように思える。

古川琴音、曲者揃いの中でも光る 『どうする家康』で示す異様な存在感

回を重ねるごとに次から次へと新たなキャラクターが登場する大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)。まるで戦国の世を舞台に見立てる…

 昨年は大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)で、暗躍するミステリアスな巫女・千代を好演した古川。2024年は『みなに幸あれ』と『雨降って、ジ・エンド。』のほかにも、2月18日より放送のドラマ『お母さんが一緒』(ホームドラマチャンネル)、4月開始の連続ドラマ『ACMA:GAME アクマゲーム』(日本テレビ系)、6月ロードショーとなる映画『言えない秘密』が控えている状態。特に『言えない秘密』は、ヒロイン役であり、秘密を抱えたミステリアスな音大生ということで、古川の魅力が存分に発揮される予感がする。

■公開情報
『みなに幸あれ』
ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開中
出演:古川琴音、松大航也ほか
総合プロデュース:清水崇
原案・監督:下津優太
脚本:角田ルミ
主題歌:Base Ball Bear「Endless Etude (BEST WISHES TO ALL ver.)」
制作プロダクション:ブースタープロジェクト
配給:KADOKAWA
製作:KADOKAWA、ムービーウォーカー、PEEK A BOO
©2023「みなに幸あれ」製作委員会
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/minasachi/
公式X(旧Twitter):@minasachi_movie

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