マヒトゥ・ザ・ピーポー初監督作『i ai』3月8日公開 富田健太郎登場の本予告&場面写真も

森山未來×富田健太郎『i ai』、劇場公開決定

 第35回東京国際映画祭アジアの未来部門に正式出品されたマヒトゥ・ザ・ピーポー初監督作『i ai』が3月8日より渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開されることが決定。合わせて本予告と場面写真、キャスト陣のコメントが公開された。

 本作は、ロックバンド・GEZANのメンバーで、青葉市子とのNUUAMMやレーベル主宰、音楽以外でも豊田利晃監督の映画『破壊の日』で主演を務めたマヒトゥ・ザ・ピーポーの初監督・脚本作。マヒトゥ・ザ・ピーポーは本作の主題歌、音楽も手がける。

  期待も未来もなく、単調な日々を過ごしていた若者・コウの前に現れたバンドマン・ヒー兄。圧倒的な存在感と強引さに巻き込まれ、音楽、そしてバンド仲間と出会い、コウは人生の輝きを取り戻しはじめる。そんな中、突然訪れたヒー兄の死。生と死の境界線を越えてもなお大切な存在に、さよならの定義を投げかける、出会いと別れ、そして再び出会う、祈りのような青春映画だ。

 主演を務めるのは、約3,500人のオーディションから選ばれた富田健太郎。俳優・ダンス・演劇とジャンルにとらわれない表現者として活動する森山未來がヒー兄を演じる。

 そのほか、ヒー兄の恋人・るり姉をさとうほなみ、 ヒー兄の弟でコウとバンドを組むキラを堀家一希がそれぞれ演じる。また、吹越満、永山瑛太、小泉今日子らもキャストに名を連ねている。

 ヒー兄がフロントマンを務める劇中バンドのライブシーンでは、監督をはじめとするGEZANのメンバーたちが実際の演奏を担っている。

映画『i ai』本予告

 公開された本予告は、コウ(富田健太郎)がヒー兄(森山未來)からギターを教わるシーンから始まる。「これで世界が変わんねんで。一瞬でやで。アンプフルテンにしてワンストロークで風を裂くねん」と語るヒー兄。その後。ギターが掻き鳴らされ、ヒー兄がフロントマンを務めるバンドのライブシーンが映し出されていく。ヒー兄に憧れてバンドを始めたコウ。アンプから出るギターの音に仲間とともに喜び、ヒー兄の背中を追いかける。映像では、割れたガラスの破片や、ヒー兄が自分のこめかみに拳銃をつきつける姿、ヒー兄が橋から仰向けで飛び降りるショットなども捉えられている。そして、ヒー兄の「俺いくわ。世界の約束ってやつを、神様だけが知らんところに隠しといたから」というセリフとともに、転調する音楽。切ないピアノの音色にのせて、ヒー兄との別れで悲しみに暮れる人々が映し出されていく。そこに、「出会い続けろ」というテロップが表示され、走馬灯のようにヒー兄や仲間たちと過ごした日々が映し出される。映像の最後では、「ことばになんかできないけど、ことばにしなくちゃ。ことばにしなくちゃ」というコウのセリフと共に、キーカラーとなる赤い花びらが舞う中で一筋の光を求めるかのように踊るヒー兄の姿が映し出されている。

 場面写真では、コウとヒー兄、そして彼らをとりまく人々の切実な時間が切り取られている。

 今回の劇場公開決定の報せに、主演の富田は、撮影を振り返り「全ての瞬間が今でも鮮度を保ったまま心に残ってます。『i ai』の夏、最高だったな。紛れもなく人生の青春です」とコメント。マヒト監督も「わたしは映画という嘘の時間の中でたどり着いた本当がお守りのように、未来を照らすことを知っている。この正しく混乱した118分が歪んだ現実をサバイブする武器になることを確信している」と喜びを語っている。一方、マヒト監督の初タッグとなたて森山は、「マヒトの詩的でプリミティブな作家性に溢れた処女作に関われたことを、おもしろおかしく思っています」と語り、「映画でしか生まれることのなかった世界です。映画館で体験しなければ意味はないかと」と映画館での体験を望んでいる。

コメント

富田健太郎

『i ai』の劇場公開が決まりました。
あの夏をいよいよ皆さんに観てもらえるのかと思うと感慨深いものがあります。
2年半前の明石の海の匂い、深夜に一人徘徊した公園、子供達のアンコールの声、ギターの炸裂音、叫んだ屋上、全ての瞬間が今でも鮮度を保ったまま心に残っています。
『i ai』の夏、最高だったな。
紛れもなく人生の青春です。
皆さんにこの作品を届ける事が出来ること、本当に嬉しく思っています。
これから出逢える皆さんに心からの感謝を込めて。
多くの人に『i ai』が届きますように。

森山未來

いつかの夏の終わりに撮影した『i ai』。細かな記憶は少しずつ薄れてきてはいるけれど、あの時間が僕に与えたインパクトは今でも明確です。目を瞑って立ち上がってくるイメージは、どこまでも突き抜けた、真っ赤な青。マヒトの詩的でプリミティブな作家性に溢れた処 女作に関われたことを、おもしろおかしく思ってます。映画でしか生まれることのなかった世界です。映画館で体験しなければ意味はないかと。

堀家一希

初めまして、ヒー兄の弟、キラ役で出演しております、堀家一希です。本作では誰かとの出逢い、別れ、言葉には出来ない一瞬の美しさが、景色と共に切り取られています。僕自身も本作を通して会えなくなった人、これから出逢う人に想いを馳せる、良い機会になりました。是非皆様もスクリーンで経験していただきたいです。

さとうほなみ

ヒーの存在が大きすぎる。この物語の中での彼の生き様は、側から見て、すごく突飛で不安定で格好良くて羨ましくて掛け替えがない。そんな彼と共に生きられたことを幸せに思いました。この世界に於いての、音楽とひととのある種暴力的な関わりが何故か心地いい。出会えて良かった。

永山瑛太

マヒトゥ監督と2人で試写を観ました。
やられてしまいました。
物心ついてから自分の内側と外側で起きている、言語化出来ない、得体の知れない行き来する何かが、この作品から溢れ出ているのを皮膚から吸収してしまった。
これが観たかったんだ。。
昨今の不調和な世界に照射した赤い光『i ai』は、
皆様にどんな具合で届くのか楽しみでしかたがない。

小泉今日子

儚くて、激しくて、美しいこの映画に参加できて嬉しかったです。

マヒトゥ・ザ・ピーポー(監督・脚本)

やっと公開が決まりました。これは咳を我慢し、つられて季節も息をとめたとある夏、愛しき仲間と生傷を絶やさず駆け抜けた生きることについての物語です。なぜ人は記録するのか? 人はなぜ永遠に対して挑戦するのか? その答えを映画というフォーマットでしかすくいとれない瞬間の連続が肯定している。生きてる時間の中で死を生かそうとする試み、その痕跡が詩を呼び込む。i ai、相逢、もう一度逢う。ううん、何度でも真実に会おう。わたしは映画という嘘の時間の中でたどり着いた本当がお守りのように、未来を照らすことを知っている。この正しく混乱した118分が歪んだ現実をサバイブする武器になることを確信している。

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■公開情報
『i ai』
3月8日(金)より、谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開
出演:富田健太郎、森山未來、さとうほなみ、堀家一希、イワナミユウキ、KIEN K-BOMB、コムアイ、知久寿焼、大宮イチ、吹越満、永山瑛太、小泉今日子、森山未來 
監督・脚本・音楽:マヒトゥ・ザ・ピーポー
撮影:佐内正史
主題歌:GEZAN with Million Wish Collective 「Third Summer of Love」(十三月)
劇中画:新井英樹
プロデューサー:平体雄二、宮田幸太郎、瀬島翔
配給:パルコ
製作プロダクション:スタジオブルー
2022年/日本/カラー/DCP5.1ch/119分
©STUDIO BLUE
公式サイト:https://i-ai.jp/
公式X(旧 witter):https://x.com/iai2022
公式Instagram:https://www.instagram.com/i_ai_movie_2024/

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