『光る君へ』花山天皇をどう演じた? 本郷奏多「嫌われるキャラクター作りはしたくない」

俳優デビュー作以来の共演・岸谷五朗とのエピソード

――制作統括の内田ゆきさんが『光る君へ』について「非常にチャレンジングな題材」と語っていましたが、そんな本作に出演して役者として再発見できたことはありますか?

本郷:こんなにも自分の感情を素直に表すキャラクターは役者人生の中でも初めてに近いので、新鮮な気持ちです。最初はビビりながら現場に入ったんですが、周りの皆さんが優しくのびのびと自由にやらせてくださったので、そこを視聴者の皆さんにも観ていただけたらと思います。

――本郷さんは『麒麟がくる』以来の大河ドラマ出演となりますが、同作で公家の近衛前久を演じられたからこそ、今回の役にすんなり入れた部分もありますか?

本郷:それはありますね。時代は違えど、天皇と公家ということで近しい部分もありますし、大河ドラマならではの撮影スケジュールの組み方や衣装の段取りに関しても、前回は右も左も分からなかったんですが、今回はそういった不安もなく。知っているスタッフさんも多かったので、すごくやりやすかったです。

――近衛前久や花山天皇が着ているような、きらびやかな衣装が本郷さんはすごくお似合いになりますね。

本郷:どうなんですかね(笑)。自分ではちょっと分からないですが、周りの方にはよく公家の役が似合うと言われます。「戦うよりは政治だよね」って。朝ドラの『カムカムエヴリバディ』では時代劇俳優を演じさせていただいて、かなり時代ものの扮装にも慣れてきて、その都度楽しんでやらせていただいています。

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――現代劇と時代劇とでは心持ちも変わってきますか?

本郷:僕は人間ではない役も多く、現代劇と時代劇の垣根を超えていろんなジャンルの作品に出演させていただいているんですが、それぞれ大事にしている部分は違いますね。現代劇だったらナチュラルさを出せるように、原作があったら原作の世界観を壊さないように演じています。歴史モノの場合は言葉遣いや所作に加えて、伝統みたいなものを大事にしたいので、台詞は一言一句変えずにしたりとか。意識の違いは割とハッキリしているかもしれません。

――一口に時代劇といっても作品によって雰囲気は様々で、いわゆる戦国ものの無骨な作品に比べ、今作は絵的にも華やかです。主演の吉高さんも「毎日視界が新鮮」とおっしゃっていますが、本郷さんはいかがですか?

本郷:残念ながら僕は天皇の役なので、基本的には部屋の中にいるんですよ。なので、現場では限られた人としか関わることがないですし、外に出て何かを見るということもほとんどなくて。でも、一度だけ岩手・江刺でのロケでメインの人物が一堂に会し、まひろが舞を踊ったりするのを花山天皇が建物の中から見ているシーンを撮影したんです。大勢の皆さんとご一緒できたのは今のところ、あの時が唯一ですね。

――若手からベテランまでたくさんの方が本作には出演していますが、現時点で本郷さんが一番印象に残っている共演者の方はいますか?

本郷:一番印象に残っているのは、藤原為時役の岸谷五朗さんです。共演シーンが多いのもありますが、実は岸谷さんとは俳優デビュー作(映画『リターナー』)でご一緒させていただいているんですよ。とはいっても、僕の出演シーンは一瞬で、撮影期間もおそらく1日だったかな。だからまさか覚えてくださっているとは思わなかったんですが、岸谷さんの方からその話に触れてくださって驚きました。すごく嬉しかったですね。

――それは嬉しいですね。岸谷さん以外にも、この作品で再会された方も多いんじゃないでしょうか。

本郷:それでいうと、主演の吉高由里子さんとも『GANTZ』以来の共演になるんですが、もう10年以上前の作品なのにいろんな方から「『GANTZ』良かったよね」って未だに言っていただけるんですよ。そういう自分の代表的な作品でご一緒させていただいた吉高さんと、また共演できるのはすごく嬉しいです。再会した時は、あのゆるい感じで「元気〜?」って言われました(笑)。

――大河ドラマは大御所のキャストが多いので、本郷さんはまだまだお若い方ですが、年次が下の共演者も増えてきていると思います。二度の大河出演を経て、作品との向き合い方や現場での振る舞い方に変化した部分はありますか?

本郷:やっぱりこんなにもすごいレベルの方々が何十人も一堂に会するのは、あまりないと思うので、僕がミスして時間を使っちゃいけないなという意識は常にありますね。いつも集中していないわけではないですが、より一層、緊張感を持って撮影に挑んでいます。もちろん、僕より若い共演者の方も増えてきてはいますが、現場でどう振る舞うかではなく、あくまで自分は自分の与えられた仕事をしっかりこなすというスタンスを崩さないようにやっていきたいと思っています。

――『光る君へ』の撮影も含め、昨年もさまざまな作品に出演されましたが、改めて2023年を振り返ってみてはいかがですか?

本郷:変わらずお仕事をさせていただき、良い意味での現状維持になったかなと思っています。

――YouTube活動など、役者以外のお仕事に関してはどのような気持ちで取り組んでいらっしゃるのでしょうか?

本郷:YouTubeもそうですが、プラモデルやカードなど趣味に関するお仕事も増えてきて、僕としては嬉しいです。「自分、何屋さんなんだろう?」って分からなくなる時もあるんですが、それも含めて楽しんでお仕事させていただいています。

――ご自身のYouYubeチャンネルで検証されていた「本郷奏多、平和な作品やったことない説」も面白く拝見しました。たしかに物騒な役が多いですが、近年は平穏といいますか、年相応の落ち着いた役も増えている印象です。

本郷:たしかに、年相応な役も増えてきた気がします。昨年『姪のメイ』(テレビ東京系)で演じた役もそうですし、徐々に等身大の役もいただけるようになってきたので、観ている方にちゃんと良かったと思ってもらえるように頑張らなきゃいけない時期かもしれないですね。

――最後に、2024年の抱負を教えてください!

本郷:ありがたいことに大河ドラマ以外にも、1月期は『アイのない恋人たち』(ABCテレビ・テレビ朝日系)と『消せない「私」―復讐の連鎖―』(日本テレビ系)の2本の連ドラに出演させていただきます。例年以上に皆さんに顔見せできる機会が多いスタートになったので、今年も一生懸命、役者として頑張っていきたいと思います。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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2月4日(日)

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