清水くるみ、朝ドラ出演を経て再確認した役者業への思い 「細く長くお芝居を」
「主人公の親友役といえば、清水くるみ」と言われるような存在でいたい
――2023年1月期のドラマ『親友と悪女』では、連ドラ初主演を飾った清水さん。主演として作品の中心に立った感想を教えてください。
清水:これまでたくさんの主演の方を見てきたので、芝居だけではなく、現場での立ち居振る舞いに関しても、自分が思い描く理想の主演像を体現できたらいいなと思いながら過ごしていました。特に『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)や『星降る夜に』(テレビ朝日系)で共演した吉高由里子さんや、先日まで『月とシネマ2023』でご一緒した中井貴一さんが本当に素敵な方で、お二人の振る舞いを目指してこれからも頑張りたいです。
――中井貴一さん主演の『月とシネマ2023』はコロナで一度中止になり、2年越しに上演された作品です。コロナ禍が明け、徐々に復活の兆しを見せるライブエンターテインメントの力について改めて感じられたことはありますか?
清水:やっぱり生の舞台って素晴らしいなと思いました。私もコロナ禍は配信されている舞台をいくつか観ていたんですが、どの舞台もその劇場に皆さんが足を運んでくださることを前提に作られたものなので、画面を通すと生の良さはどうしても半減してしまうんですよね。舞台は劇場、映画は映画館という風に適した場所で観ることによって、作り手の思いがより伝わってくるんだなと改めて感じています。同時に、お客さんが劇場に足を運んでくださることへの感謝も増しました。コロナ禍はもちろん、日本にはまだまだ演劇文化が根付いていないので、劇場を満席にすることってなかなか難しいんです。でも『月とシネマ2023』はありがたいことに毎公演ほぼ満席で、カーテンコールのたびにグッときましたし、こんなふうに生の演劇を観に来てくださる方が増えたらいいなと思いました。
――映像作品と舞台の両方に出演されている清水さんが思うそれぞれの良さは?
清水:舞台に関しては、みんなで一つのものを作り上げている実感が作っている過程から湧くけど、映像は個人勝負感が強いイメージです。一人ひとりがそれぞれ頑張るって感じで、完成した作品を観て初めて、一つになった感覚を味わえるような気がします。それぞれの楽しさがあるので、どっちが良いとか悪いとかはないです。一方で、舞台に比べて、映像作品は自分の出演シーンが少ないと共演者やスタッフの方となかなかコミュニケーションが取れないので、寂しく感じたりもします。『親友は悪女』の時は主演でほぼ現場にいたので、大変なこともあったけど、皆さんとじっくりコミュニケーションを取れて楽しかったです。
――2023年もドラマや映画、舞台に幅広く出演され、大活躍の年となりました。かなりご多忙だったと思いますが、1年を振り返ってみていかがですか?
清水:周りの方にもよく「忙しいでしょ?」と心配していただくんですが、実はそんなことなくて。充実した年ではありましたけど、忙しくて寝る時間が取れないということもなく、毎日7時間くらいは普通に寝ていましたし、むしろもっと忙しくなりたいです。「どんな作品、どんな役柄でも一生懸命務めさせていただくので、仕事ください!」って書いといてください(笑)。
――(笑)。清水さんはきっと体力があるんですね。お休みの日などで体力づくりのために何かされていることはありますか?
清水:ヨガに通っているのと、ランニングもします。常に体を動かしていないと鈍っちゃう気がして。家でも座っている時間はあまりないですね。ちょっと一息ついてテレビでも観ようかなって思うんですけど、「あ、洗濯しなきゃ」とかってすぐ立ちあがっちゃうんです。
――2024年は30歳を迎えるということで、ひとつ節目の年になるかと思います。具体的にこれから挑戦したいこと、あるいは目標などありますか?
清水:周りの方に「30歳からが勝負だよ」と言われることが多く、私としてもまだまだここからだなと思っています。ただ、私は真ん中に立ちたいというより、どちらかといえば、今はラブコメヒロインのちょっと変わった友人役がやりたいんです(笑)。そのうち、いつか「主人公の親友役といえば、清水くるみだよね」と言われるような存在でありたい。例えば、韓国ドラマを観ていても、いろんな作品にお母さん役で出演している役者さんがいらっしゃるじゃないですか。脇役でもいいから、そういう立ち位置で細く長くお芝居を続けていきたいです。
――3月からPARCO劇場で上演予定の舞台『東京輪舞』では、Hey!Say!JUMPの髙木雄也さんと二人芝居に挑戦されます。
清水:以前から、一度は二人芝居をやってみたいって思ってたんです。だけど、30代後半でやれたらいいなと思っていたので、まさかこんなに早く実現するとは……。しかもPARCO劇場という素敵な劇場に再び立たせていただけるなんて、“運”を持ってるなと思いました。当然プレッシャーもありますが、すでに手元にある台本が本当に面白いので、安心して身を委ねつつ髙木さんと一緒に頑張りたいです。
――本作では清水さんと髙木さんがそれぞれ5人の男と女、合計10人の登場人物を演じ分け、“10の情事”の風景をリレー形式で描き出すとのこと。ご自身とは真逆の役もあるのでは?
清水:私が演じる5人は国籍や年齢、性的指向などもバラバラ。かなり役の振り幅が大きいので、現時点で演じる難しさを感じています。とりあえずは稽古に入るまでに役の研究や下調べもかなり必要だなと思って、今はそこに力を注いでいる段階です。
――相手役の髙木さんとはもうお会いされたとのことですが、第一印象はいかがでしたか?
清水:とてもフレンドリーな方です。私も比較的、フレンドリーだと思うんですが、髙木さんの方がはるかに社交的で、むしろちょっと人見知りを発動しちゃいました(笑)。でもより稽古が楽しみになりましたし、自分からもちゃんとぶつかっていこうと思っています。
――最後に、舞台に向けての意気込みをお願いします!
清水:おそらく情事というワードに一瞬抵抗を持つ方もいらっしゃると思うんですが、この舞台は情事の“前後”を描いた作品なので、まずそこは安心していただきたいです。その上で、私と髙木さんはいろんな男女に成りきってお互いを誘惑し合うのですが、そこで繰り広げられる会話劇が見どころとなっています。「絶対に面白いものにするぞ!」と今から意気込んでいますし、目の前にいる高木さんだけではなく、皆さんのことも誘惑できるように頑張るので、ぜひ劇場に足を運んでみてください!
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2024年1月29日(月)