『ホーム・アローン』だけじゃない! 大人も子どもも楽しめる定番クリスマス映画4選
12月も20日を過ぎ、クリスマスムードも本格的になってきた。12月22日の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では、クリスマス映画の王道であり鉄板の『ホーム・アローン』(1990年)が放送される。それにちなみ、本稿では『ホーム・アローン』を含む鉄板クリスマス映画4作を紹介しよう。
これぞ定番クリスマス映画『ホーム・アローン』
どの世代にも『ホーム・アローン』を観たことがないという人は少ないだろう。それほど本作はクリスマスの定番で、この季節になると毎年のようにテレビ放送され、幅広い世代から人気を獲得している。
マカリスター家は主人公ケビン(マコーレー・カルキン)をはじめとする5人兄妹とその両親、伯父夫婦と従兄弟たち6人の15人家族。いつでもしっちゃかめっちゃかな家族は、ある年のクリスマスにパリ旅行に行くことになる。出発前日、兄のバズ(デヴィン・ラトレイ)とケンカしたケビンは「家族なんかいなくなっちゃえばいいのに」と願う。翌朝彼が目を覚ますと、家には自分以外誰もいない。願いがかなったと大喜びで自由を満喫するケビンだったが、飛行機に乗ってから息子を置いてきたことに気づいた母ケイト(キャサリン・オハラ)は、なんとか家へ帰ろうと奔走する。一方マカリスター家には、空き巣を狙う泥棒2人組が迫っていた。
『ホーム・アローン』のなによりの見どころは、この泥棒たちとケビンの攻防戦だ。さまざまなおもちゃを駆使して泥棒を追い出そうとするケビン。アイデア豊富で過激な仕掛けは観ていて楽しいし、マヌケにもことごとくケビンの仕掛けた罠に引っかかる泥棒たちの姿も滑稽で笑いを誘う。仕掛けのなかには、クリスマスツリーや電飾など、この季節ならではのものが使われているものもあり、クリスマス気分を盛り上げてくれる。
最後には家族の大切さを教えてくれる本作は、まさにクリスマスの定番にふさわしい作品だ。
クリスマスに感じるさまざまな愛『ラブ・アクチュアリー』
クリスマスには、さまざまな愛が満ち溢れている。『ホーム・アローン』でも描かれる家族愛をはじめ、恋愛、友情など、愛のかたちは1つではない。それを教えてくれるのが、『ラブ・アクチュアリー』(2003年)だ。『ノッティングヒルの恋人』(1999年)などの脚本家として知られるリチャード・カーティスが初めてメガホンを取った本作は、クリスマスにまつわるさまざまな愛を描く。
官邸のスタッフ、ナタリー(マルティン・マカッチョン)に密かに思いを寄せる英国首相のデヴィッド(ヒュー・グラント)、静養に訪れたポルトガルで出会ったオーレリア(ルシア・モニス)と恋に落ちる作家のジェイミー(コリン・ファース)、学校の人気者ジョアンナ(オリヴィア・オルソン)に片思い中のサム(トーマス・ブロディ=サングスター)などの恋。
妻を亡くし、血の繋がらない息子サムとうまくやっていこうとするダニエル(リーアム・ニーソン)や、夫ハリー(アラン・リックマン)の浮気を疑うカレン(エマ・トンプソン)などの家族愛や夫婦の愛。そして落ち目のロックスター、ビリー・マック(ビル・ナイ)と彼の長年のマネージャー、ジョー(グレゴール・フィッシャー)の友情。クリスマス5週間前からイブに向かって、さまざまな愛の群像劇が展開される。
特に日本では、クリスマスというと恋愛方面の話題に気が向きがちだが、『ラブ・アクチュアリー』は、この時期に普段は伝えることの少ない、さまざまな相手への愛を感じられる作品だ。多くのエピソードのなかから、特に胸に刺さるストーリーに出会えるだろう。どの愛も美しく、強く、そしてかけがえのないものだと気づかせてくれる。
キャストはまさに英国スター勢ぞろいといった顔ぶれで、すでに名前を挙げた俳優陣のほか、キーラ・ナイトレイやローワン・アトキンソンなど、当時からスターだった俳優も多数出演している。さらに『それでも夜は明ける』(2013年)やMCU『ドクター・ストレンジ』シリーズのキウェテル・イジョフォーや、ドラマ『ウォーキング・デッド』(2010年〜2022年)のアンドリュー・リンカーン、『SHERLOCK/シャーロック』(2010年〜2017年)や『ホビット』シリーズのマーティン・フリーマンなど、のちに世界的に知られることになるキャストが出演していることにも注目だ。