『デフ・ヴォイス』草彅剛の向き合う芝居が生み出すリアリティ 『ブギウギ』との共通点も

『デフ・ヴォイス』草彅剛が生み出すリアル

 そんな難役と言える荒井を、草彅はエネルギッシュに演じている。身体的には決してエネルギッシュとは言い難いかもしれないが、相手と向き合い思いを伝えようとするエネルギー、分かり合おうとするエネルギーを草彅の芝居からは感じるのだ。それは、ろう者の俳優と実際に対峙しているからこそのリアリティ。『ブギウギ』にて演じている作曲家の羽鳥善一とは真逆と言える役柄であるが、ヒロイン・スズ子(趣里)の思いに寄り添い作曲するという部分では共通しているように思える。

 前編「記憶の中の少女」に続き、12月23日には後編「もうひとつの家族」が放送となる。17年前、荒井が門奈の娘から告げられた「おじさんは私たちの味方? それとも敵? どっち?」の答え。そして、本作のもう一つのテーマ「家族」が描かれる。

■放送情報
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(前・後編)
NHK総合、NHK BS4Kにて、12月16日(土)、12月23日(土)22:00〜放送
NHK Eテレビにて、2024年2月4日(日)、2月11日(日)15:45〜放送

出演:草彅剛、橋本愛、松本若菜、遠藤憲一ほか
原作:丸山正樹
脚本:高橋美幸
演出:渡辺一貴
音楽:原摩利彦
手話・ろう者監修:木村晴美
手話指導:江副悟史、米内山陽子
ろう者俳優・手話通訳コーディネート:廣川麻子
制作統括:伊藤学(KADOKAWA)、坂部康二(NHKエンタープライズ)、勝田夏子(NHK)
写真提供=NHK

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