中村悠一、『葬送のフリーレン』ザイン役は「バランスを考えました」 キャラビジュアルも

『葬送のフリーレン』中村悠一が語る

 TVアニメ『葬送のフリーレン』ザイン役の中村悠一によるインタビューコメントが公開された。

 本作は、勇者とそのパーティによって魔王が倒された“その後”の世界を舞台に、勇者と共に魔王を打倒した、千年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていくファンタジードラマ。コミックスは山田鐘人が原作、アベツカサが作画を務め、累計発行部数1100万部を突破。2021年にはマンガ大賞2021大賞、第25回手塚治虫文化賞新生賞を受賞している。

 幼い頃に親友と共に冒険者を夢見ながらも、年齢を重ねる中でその夢を諦めてしまったザイン。そんなザインは、第13話より自らが暮らす村にやって来たフリーレンたちとの出会いをきっかけに、再び冒険者という夢に向かってフリーレンたちの仲間に加わった。フェルンやシュタルクよりも大人なザインは、第14話でも、喧嘩をした2人を取り持つなど、パーティーの中で存在感を見せている。

 あわせて公開された描き下ろしのキャラクタービジュアルでは、ザインの横顔が描かれている。

 中村はザインの声優を務めるにあたり、「途中から入るにあたり、フリーレンたち3人とのキャラ感のバランスを考えました。ザインは3人に比べてコメディ的な要素のあるキャラクターなので、そのあたりの圧を強めにした方がおもしろいかな…と考えていました」とコメント。そのほか、フリーレン役の種﨑敦美ら共演者との現場での掛け合いや、その様子などについて語っている。

 なお、12月15日の放送は、『金曜ロードショー』拡大のため放送時間が変更となり、23時15分より放送開始となる。

中村悠一(ザイン役)コメント

ザインを演じるにあたり、どのようにアプローチをしようと考えたのか

この作品は日常的なテンションで物語が進んでいきます。だいたいのキャラクターが、例えば激高したりとか、そういったことも少ない。シュタルクは賑やかな面はありますが、フリーレンとフェルン、ほかのキャラクターも熱量が抑えめで、そこに途中から入るにあたり、フリーレンたち3人とのキャラ感のバランスを考えました。ザインは3人に比べてコメディ的な要素のあるキャラクターなので、そのあたりの圧を強めにした方がおもしろいかな…と考えていました。また、フェルンとシュタルクはもちろん、フリーレンも千年以上生きていても見た目が少女のようで、その中ではザインは大人な人物。余裕があるというより、達観とかある種の諦めからくる「枯れ」のようなものも感じられたら…と思って収録に臨みました。

バランスという点で、種﨑らと収録する中で“調整”は行なったのか

そうですね。そこまでに重ねてきたお三方のお芝居があるので、それを聴きながら演じたところはありました。ただ先ほど話したとおりザインは3人より達観しているところがあるので、3人の空気に乗っかり過ぎないというか、調整幅をそこまで広くはしませんでした。これまで現場で作られてきた温度感やテンポ、空気感に合わせること。技術的な面で言うと、この作品においての声の距離感を大切にしました。1メートル先にいる人物との距離の測り方、どれくらいが『葬送のフリーレン』においての1メートルの声のかけ方なのか、というのもメインの出演者の皆さんの演技で決まってくるので。

『葬送のフリーレン』ならではの間や、空気感について

ファンタジーだし、非現実であって日常ではないんですけど、エルフであるフリーレンと人間が旅をする中で生じるズレのようなものを彼女がどう受けとめていくのか、その先になにがあるのか、そこでの心の機微や、人々との何気ないやりとり、その「日常」をこの世界なりに描いている。戦闘シーンも、彼らの旅や行動としては外せないんですけど、描くものとして重きを置いていない気がします。お話の上で必要なんだけど、戦いの中での重要な会話だったり、頭の中で色々と考えていることを見せる、そういったことを大事にしているのかなと。そこがおもしろい作品なんだと思います。

種﨑らとの掛け合いについて

旅をする中で、3人や、フェルンとシュタルクのやりとりを見て、それが微笑ましくあったり、一方で自分にはもう眩しすぎて、一抹の寂しさも感じたりしながら見守っているところがありますよね。現場でも、一応僕がいちばん先輩にはなるんですけど(笑)、お三方それぞれが役や作品に対してどう考えてアプローチしているのかなとか、3人だけのシーンを後ろで見ていることは楽しかったですし、ポジションとしては確かに近しいところはあるかもしれません。

実生活においてザインと共感する点

そうですね… 気づけばそういうふうになっていたというか…。求められてるかはわかりませんが、アドバイスをすることも増えましたし…。むかしだったら、まわりから「こういうことがあったんだよ」っていう話を聞いてそれにリアクションしたり、「そうなんだ、俺だったらこう思うよ」って返しても、相手としては別に僕に相談ではなく話をすること自体が大事で。でも今は「聞いてほしいことがあるんですけど」って相談や悩みを打ち明けられていて、こちらからの返しの受け取られ方も違うのかな、と。それって、いつの間にかそういうふうに変化していたと思います。むかし想像していた今の年齢になった自分と、今実際の自分から感じるものは違いますし、自分自身が年齢や経験を重ねて、まわりにどう見えているのかはわからないな、と思います。

今後の物語の見どころ

このキャラクターはある意味で完成されたような状態で登場したんですけど、フリーレンたちの旅に同行するようになって、3人と一緒に過ごす中、フリーレン、そして若いフェルンとシュタルク、旅先で出会う人たちや見たものから影響を受けて、彼自身の中にあった目的に対して、もう一度一歩踏み出そうとする。ちゃんとザイン自身にも成長があって、その成長の先にどういった歩みを進めていくのか、その点に注目してほしいと思います。

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■放送情報
『葬送のフリーレン』
日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」枠にて、毎週金曜23:00〜放送
キャスト:種﨑敦美、市ノ瀬加那、小林千晃、岡本信彦、東地宏樹、上田燿司
原作:山田鐘人、アベツカサ『葬送のフリーレン』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤亨
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス
OPテーマ:YOASOBI「勇者」
EDテーマ:milet「Anytime Anywhere」
©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
公式サイト:https://frieren-anime.jp
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/Anime_Frieren

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