『いちばんすきな花』明かされた夜々の苦悩 4人が“2人組”2組に分かれる見事な連携プレーも

『いちばんすきな花』明かされた夜々の苦悩

 「◯◯だから」と言われると、どんなに求められているとしても、なんだかモヤモヤしてしまうことがある。「念願の女の子だから、生まれてくれて嬉しかった」、「顔がいいから、飲み会に来てほしい」、「人形のように何も言い返さないから、本音を話せる」……。それは「◯◯だから」という理由が、まるで求められる条件のように感じてしまうからかもしれない。ひょっとして「◯◯じゃなかったら、必要とされなかったのだろうか」と。

 木曜劇場『いちばんすきな花』(フジテレビ系)第4話は、家族や周囲からの期待に応え続けてきた結果「お人形」のような感覚になっていた夜々(今田美桜)の苦悩が明かされた。

 母・沙夜子(斉藤由貴)の「どうしても女の子が欲しかった」という強い希望で、4人兄妹の末っ子として生まれた夜々。沙夜子自身、兄のお下がりばかりで女の子らしいことをしてもらえなかったという経験から、娘の夜々には目一杯女の子を楽しんでほしいと溺愛した。その可愛がりぶりは、3人の兄たちから「俺たちは夜々が生まれてくるまでの助走」なんてやっかみを言われてしまうほど。

 もちろん親に愛されることは喜ばしいことだ。しかし、兄たちからの「お前はいいよな」の視線は夜々にとっては重くつらいものとなっていく。加えて、容姿にも恵まれた夜々は、家族以外からもその羨望の眼差しを受けることになる。

 「かわいい女の子だから」愛される自分。そんな現実が苦しくて、思春期には保健室の先生に相談したこともあった。しかし、本来なら多くの人が欲しくてたまらないはずの見た目の良さや、親からの愛情についてつらいと感じる夜々の気持ちを、理解してはもらえなかったという。

 自分の好きなものを、周囲の期待が上書きしていってしまう息苦しさ。「女の子だから」おままごとやお人形遊びが好きだと決めつけられる。しかし、本当は怪獣ごっこや将棋が好きだった。「女の子は文系」と言われたが、本当は数学が一番好きだった。

 よく買い与えてもらうのはピンクだったけれど、一番好きな色は紫。スカートよりもズボン派だし、お花よりもでんでん虫に目がいくタイプだ。しかし、愛され続けるためには、みんなが望む「夜々」でいなければ。そんなプレッシャーから、まるで何も口答えしないお人形のようになってしまったのだ。

 そんな夜々のお人形の仮面が、沙夜子が実家から東京にやって来たことで剥がれてしまう。思わず駆け込んだのは“花の匂いのする部室”こと、椿(松下洸平)の家だ。

 沙夜子とぶつかっていっぱいいっぱいの夜々を見て、すぐさまゆくえ(多部未華子)と椿はアイコンタクトを取る。そして、椿はとっさに紅葉(神尾楓珠)を“サシ飲み”に誘い、いつもの4人は2人組が2組に分かれるという見事な連携プレーを見せた。

 あれだけ2人組は苦手だと話していた、あの4人が、だ。その事実だけでも、なんだか胸がギュッとなる。もうこのメンバーは4人組にも2人組にもなれるのだ。2個入りでおなじみの雪見だいふくやパピコを買い込む姿も自然なほどに。

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