『ブギウギ』翼和希の演技が心を揺さぶる OSKの看板を背負って放つ“本物”の魅力

『ブギウギ』翼和希が放つ“本物”の魅力

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の第3週となる「桃色争議や!」が放送された。梅丸少女歌劇団(USK)で、歌に踊りに切磋琢磨するスズ子(趣里)たちに、賃金削減や解雇が通告される。このとき、ストライキを決行することで梅丸を守ろうとする大和(蒼井優)を全力で止めに入るのが橘(翼和希)の存在だ。

 まだ3週目でありながら早くも大問題勃発の『ブギウギ』。そこで目を見張るのが、橘アオイを演じる翼和希の力強い演技だ。週の最後には、大和がまた舞台で踊れるようにと単身で社長の元に乗り込む橘だが、その想いは叶わず。両手を大きく広げて行く手を阻み、「絶対に行ったらあかん! 絶対に行かせへん。ウチはあんたのこと……」と気持ちをぶつける橘を「ありがとう。あなたのおかげで私は頑張ってこられた」と大和は優しく抱きしめるのだった。そして大和は去り、橘は大きく泣き崩れる。この一連のシーンには、橘の抱える大和への感情の全てと、歌劇への真っ直ぐな想いが詰まっていた。まさに、第3週では翼の芝居の熱さがこれまで以上に光る。

 翼は、2013年にOSK日本歌劇団に入団し、現役で男役を演じるスターだ。そしてこのOSKの前身である松竹楽劇部こそが、『ブギウギ』の舞台、梅丸少女歌劇団のモデルなのである。翼の出演は『ブギウギ』の歌劇の世界をよりリアルに、そして圧倒的に華やかなものにした。舞台上で歌や踊りを披露するシーンも多い『ブギウギ』だからこそ、舞台ならではの身体表現に長けた翼の演技は、まさに“本物”の魅力となる。

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 翼の出演が決まったのは『ブギウギ』のオーデションがきっかけ。ただし、このとき受けたのは橘役ではなく、ヒロインのスズ子役であったとのこと。OSKのなかでも後輩を引っ張る立場であり、自身の歌や踊りからステージが大好きなことも伝わってくる翼の姿が橘と重なり、抜擢の決め手となった。こうして翼は、OSKの看板を背負って『ブギウギ』に挑むこととなる。

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