朝ドラ『ブギウギ』鈴子が同期のために渾身の“一芝居” 病によって強まった花田家の絆

『ブギウギ』鈴子が同期のために一芝居打つ

 『ブギウギ』(NHK総合)第9話では鈴子(澤井梨丘)渾身の演技が炸裂した。

 稽古場で倒れた鈴子は医師の熱々先生(妹尾和夫)に百日咳と診断され、3カ月の休養を言い渡された。単独公演には間に合わないことになり、悔しさをあらわにする鈴子。ツヤ(水川あさみ)や梅吉(柳葉敏郎)は鈴子を気づかって優しい言葉をかける。

 一方、鈴子が欠けた梅丸少女歌劇団では、同期の幸子(小南希良梨)と辰美(木村湖音)が公演の準備と下働きに走り回っていた。犬猿の仲の2人は、鈴子がいないことで協力せざるを得なくなる。「花田の悔しさだけは覚えといたれよ。デビューできるんは1人やけどな、舞台は1人でやるもんちゃうぞ」という橘(翼和希)の言葉は身に沁みただろう。

 病床の鈴子は視線が天井を向いており、夢と現実の境界にいる。目覚めているとき、耳に入ってくる家族の会話や枕元を訪れる弟の六郎(又野暁仁)の言葉を、もうろうとした頭で知覚する時間は、回復途上の身体とも相まって白昼夢のような非現実感をともなっていた。

 そこで明かされたのは、六郎がアホのおっちゃん(岡部たかし)から聞いたという鈴子の出生の秘密。「ワイと姉やん、ホンマの姉弟やないかもしれへんわ」の理由は、六郎が「カッパの子」で鈴子は「クジラの子」だからという突拍子のないものだが、聞いた瞬間しまったという顔をして即座に打ち消した梅吉と、血相を変えたツヤの反応を見るに核心を突いていることは間違いない。

 「武一みたいなことにならんかな」と心配する梅吉に、ツヤは「あの子だけは絶対死なせたらあかんのや。顔向けできん」と答えており、死別した武一の存在が鈴子との関係に大きく影響していると推察される。

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