笹森裕貴が初めて曝け出した“自分” 10年以上続けた野球と家族への感謝を明かす
サボテンの生き方にシンパシーを感じて
ーーオフシーンでも全てを曝け出していましたね。俳優の宮崎湧さんと行った岩盤浴でいきなり「君が代」を歌い始めたときはビックリしました(笑)。
笹森:ハハハ。湧くんとはもう7〜8年の仲。オフで会うときは、本当にいつもあんな感じです。仲が良すぎて何でも笑えるっていうか。移動中の車内トークがまるまるカットされていましたけど、かかっていたHIP HOPの著作権的な都合と言いつつ、本当に意味不明なやり取りばかりで使えなかったんだと思います。カメラを気にせず、はしゃぎ過ぎましたね。すみません(笑)。
ーー俳優の立花裕大さんとは植物園に行かれていました。密着の冒頭ではWBCを観戦されていましたし、やはり野球などのスポーツがお好きなのかと思いきや、サボテンにハマっていらっしゃるという。これまた意外な一面です。
笹森:僕もまさか、自分が植物を好きになるとは思ってもいませんでした。今年の2〜3月だったかな? たまたま立花くんと出掛けたときに植物のポップアップストアを見つけて。以前から植物が好きだった立花くんに連れられるがまま店内を見て回っていたら、気になる植物に出会ってしまったんです。菊水というサボテンとグラキリスという塊根植物。このふたつを買ったのを機に、どんどんハマってしまったんですよね。
ーー唐突な出会いだったんですね。何が魅力だったんでしょう?
笹森:まず菊水は、生き方にシンパシーを感じたんです。丸いフォルムと上向きに伸びているトゲが特徴なんですけど、その形状は、土の中で外敵から身を守るためだったり、どんどん土の上へ登っていくためだったりするそうで。僕も「誰にも負けずに上へ登っていくぞ」という気持ちでお芝居を続けていたので、不屈の精神というか、その話を聞いて妙に共感してしまったんです。
ーーなるほど。
笹森:それに、年に2〜3回ほどしか花を咲かせない種類にもかかわらず、僕が立ち寄った日に、偶然初めて花を咲かせたらしいんですよ。サボテンに花が咲くことすら知らなかった僕ですが、「今日初めて咲いた」と聞いたら、運命を感じずにはいられませんでしたね。
ーーもし1日でもズレていたら植物にハマることはなかったかもしれない、というわけですね。
笹森:本当にそうです(笑)。そしてもうひとつ、グラキリスは、ワシントン条約によって根っこが切られた状態でマダガスカルから輸入される植物で。向こうの環境が適しているから、日本で根を生やし直すのは結構難しいという話を聞いたんですね。それで素人ながらに根っこのないグラキリスを買って、毎日温度調節と霧吹きを徹底していたら、葉っぱがグングン成長し始めたんです。夏場は特に成長スピードが早かったですよ。まだ実際の根っこは目視できていませんが、世話をするほどたくましくなっていく姿はとても愛らしいです。サトルと名付けて、毎朝観察しています。癒しの時間ですね。
ーー名前まで付けていらっしゃるなんて! ご自宅ではコッソリ話しかけたり……?
笹森:さすがに話しかけはしないです! ただ、立花くんとは今も舞台でご一緒していて。直接会ったときに話せばいいものを、LINEでひたすら植物トークをしています。ハマるととことんハマっちゃうんですよね(笑)。
ーー好きなものへのこだわりが極端に強い印象を受けます。案外、食にもうるさいタイプですか?
笹森:いや、実は食に関しては本当に欲がなくて……。誰かと話しながら食事するのは好きですけど、一人でいるときの食事とお風呂の時間は、なるべく早く済ませたいと思ってしまうタイプですね。好きなラーメン屋はあっても、黙食で5分くらいで食べ終わっちゃうし。全然こだわりがないです。
ーーそうなんですね。食事をモチベーションにされている方も多いと思いますが、そういう意味で笹森さんは、何で気分転換されることが多いんでしょう?
笹森:植物と、あとは買い物ですかね。バンバン何でも買うわけじゃないですけど、一回の買い物額が大きいほうだとは思います。買い物するときだけは、唯一自分を甘やかしちゃうんです。「あれ頑張ったから、良いじゃん」って(笑)。
ーー具体的に何を買うことが多いですか?
笹森:服ですね。これを言うとブーイングが起こるかもしれませんが、僕、着こなしだけは定評があるんですよ。何を着てもだいたい似合うっていうか(笑)。
ーー異論はありません!
笹森:ハハハ。だから、似合う似合わないをあまり気にせず、ジャンルレスにいろいろ買ってしまうんですよね。って、何だか自慢みたいですみません(笑)。
母親が号泣していました
ーーストイックにお芝居と向き合われている「ON」と俳優仲間の先輩方と開放的に遊ぶ「OFF」。その両方がバランス良く観られる構成で、とても見応えがあるドキュメンタリーに仕上がりましたね。
笹森:隅々まで僕のことを理解して密着してくださり、本当にありがたいです。この番組の話をしたとき、僕以上に母親が仕上がりを楽しみにしていて。完成した映像を誰よりも早く観せてあげたら、父親と一緒になって画面にかじりつくように観てくれたんですね。笑いながら楽しんでくれていると思っていたら、いつの間にか母親が号泣していました。「裕貴、こんなに頑張っているんだね」って。
ーー素敵なお話です。今回の密着でも、芸能活動を始めたのは「昔(野球を頑張っていたときは)輝いていたのにね」とお母さまに言われたことがきっかけだったと話していましたよね。笹森さんのことを応援されているのが伝わってきます。
笹森:母親も祖母も繊細で心配症な人で、いまだに週に1回は必ず連絡が来るんですよ。「元気にしているの?」「ちゃんとご飯食べてる?」って。実家にはわりと頻繁に帰っているんですけどね(笑)。1週間、顔が見られないだけで心配になっちゃうみたいです。そういった家族とのコミュニケーションも僕を構成する大事なルーティーンなので、みなさんにも伝わっているとうれしいです。
ーー今回の密着は、ご家族への恩返しとも言えそうですね。
笹森:まさにそうですね。いくら身近な存在とはいえ、仕事の裏側を親に見せる機会なんてないじゃないですか。目の前で両親が僕の映像を見ている光景はちょっと恥ずかしかったですけど、僕のいちばんのファンである家族に自分の頑張りを届けられたのは、この上ない幸せです。改めて、この番組には感謝しかありません。
■配信情報
『笹森裕貴のON⇔OFF』
各動画配信サービス(見放題配信、都度課金配信)にて配信中(30分×全4話)
出演:笹森裕貴
ナレーション:澤田拓郎
監督:森合裕哉
制作協力:ヒューマックスシネマ
製作・著作:ポニーキャニオン
©PONY CANYON
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10月22日(日)