『ハヤブサ消防団』川口春奈演じる彩が明かした教団の真相 太郎との“理想の世界”へ

『ハヤブサ消防団』彩が明かした教団の真相

 ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)が、3カ月の熱狂の末に最終回を迎えた。作家・三馬太郎(中村倫也)とともにハヤブサ地区で起きている連続放火の犯人は誰か、そしてハヤブサにうごめくアビゲイル騎士団の後継団体「聖母アビゲイル教団」の陰謀――それらを推理していく要素の強い本作だが、その元にあるのは太郎にとって大切なハヤブサを、立木彩(川口春奈)を、取り戻したいというシンプルな思いだ。

 太郎は山原展子(小林涼子)の兄である住職・江西佑空(麿赤兒)、展子と幼なじみだった映子(村岡希美)から話を聞き、『聖母アビゲイルと呼ばれて――山原展子の生涯』を書き上げる。江西は、虐待を受けていた展子に手を差し伸べられなかったことへの償いの思いを抱き続け、映子は心を閉ざしたふりをしながら一人必死に彩を救う機会を待っていた。太郎が脚本を執筆したのは、彩を呪縛から解放するため。「ユートピア」「特別」「聖母」……教団を束ねる実質のトップ・杉森登(浜田信也)と言っていることがまるで正反対な太郎に、彩は困惑しつつも、展子に代わり新たな聖母となる皆既日食の儀式には向かわず、町の防災スピーカーを通じてこれまでアビゲイルが起こしてきた真相を全て明かしていく。

 徳田省吾(岡部たかし)が起こしていた連続放火事件、それを指示していたのは真鍋明光(古川雄大)であり、口封じに省吾を溺死させたのも真鍋であること。それを知っていながら教団に参加していた彩も罪になるが、彼女が選んだのは信者たちをアビゲイルの呪いから解き放つことだった。

 報復として太郎を猟銃で狙撃する真鍋の執念も凄まじいが、「聖母は彼女で終わりではない」「この世に迷いが存在する限り、アビゲイルは決して滅びない」と捨てゼリフを吐いていた杉森の言う通りに、東京の喫茶店で2人のアビゲイル信者(儀式の模様を中継をしようと丘にいた、つまりは逮捕されなかった生き残りだろう)が新たなリーダーという名の聖母・アビー(ちゃんみな)を立て、若い女性の相談に乗っているラストにはゾッとする。

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