『ハヤブサ消防団』最終回直前で盛り上がりは最高潮へ 住職・江西のまさかの正体に衝撃

『ハヤブサ消防団』最終回直前で衝撃ラスト

 ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)の各話のタイトルは、その週の内容を端的に表している。

 ここまでを振り返ると、第1話「桜屋敷の住人」、第2話「町の噂」、第3話「山の怪異」、第4話「恋の蛍」、第5話「ある女の運命」、第6話「放火犯の正体」、第7話「最後の晩餐」。そのタイトルがバンッと映し出されるタイミングも決まっておらず、例えば「ある女の運命」は立木彩(川口春奈)が宗教団体「アビゲイル騎士団」に入信していくその過去が明かされていったラスト、三馬太郎(中村倫也)と抱き合う立木の不敵な笑みの後に知らされるケースだった。

 最終回前、最高潮の盛り上がりを見せる第8話のタイトルは「聖母の帰還」。この回を観終えた後に、その意味を考えるとゾッとしてくるタイトルである。八百万町ハヤブサ地区を占拠していたのは、アビゲイル騎士団の後継団体「聖母アビゲイル教団」だった。

 第8話では「ある女の運命」での立木に関するさらなる真相が明かされていくが、立木がアビゲイルの信者であることはもちろん、ルミナスソーラーの真鍋明光(古川雄大)や第7話で溺死した徳田省吾(岡部たかし)もまた熱心なアビゲイル信者であったことが明らかになる(町長の愛人までも)。

 アビゲイルの弁護士であり教団を束ねるリーダー的存在の杉森登(浜田信也)がハヤブサという土地を選んだのは、彼らが聖母と崇める山原展子(小林涼子)の生誕の地であり、悟りを開いた場所だからだ。ハヤブサの大半の土地を領地にすることが、杉森をはじめとするアビゲイルの最終目標。ハヤブサをアビゲイルの聖地とし、ユートピアを建設する。そのために必要なのが、展子に代わる新たな聖母の存在――それが“聖母の魂を受け継ぐ者”と教祖から認められた立木である。

 そして、この第8話では太郎たちに協力してくれていた、随明寺の住職・江西佑空(麿赤兒)が展子の兄であることが明らかになる。「その宗教の教え全てを否定する必要はありません。それを信ずる者にも罪はありません」とする彼の考えは住職という立場を考えると平等とも捉えられるが、展子の兄ということであれば話はまた別だろう。杉森と立木を先頭に大挙してくるアビゲイル信者たち。その立木の姿に江西は、今は亡き展子の面影を重ねていた。「ハヤブサへ、ようこそ」と大きく両手を広げる江西。それはハヤブサにとっての、そして江西にとっての「聖母の帰還」を表しているのだろう。

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