『アメリ』デジタルリマスター版、11月17日公開決定 オリジナル版を継承したポスターも

『アメリ デジタルリマスター版』11月公開

 2001年に公開された映画『アメリ』のデジタルリマスター版が11月17日より全国順次公開されることが決定した。

 本作は、『デリカテッセン』『ロスト・チャイルド』『エイリアン4』などのジャン=ピエール・ジュネ監督が、「人々を幸せにする映画を撮りたい」と方向転換し、パリの下町、モンパルナスを舞台に描いたロマンチックコメディ。第74回アカデミー賞では、外国語映画賞、美術賞など5部門にノミネートされた。

 風変わりな両親の間に生まれたアメリ(オドレイ・トトゥ)は、父の誤解から学校に通えず、空想の世界で一人遊びする子ども時代を過ごした。大人になった今はパリの下町、モンマルトルで一人暮らししている。恋人や同世代の友達はいなくても、カフェ「ドゥ・ムーラン」の個性的な同僚や常連客に囲まれて、居心地がよい毎日を過ごしてきた。そんなある日、アメリのとあるお節介から小さな奇跡が起きる。

 ショートボブにクリンとした瞳。口角をクニュッと丸めてほくそ笑むなど、いたずら好きなアメリを表情豊かに演じたのは、当時、映画デビューしたばかりのオドレイ・トトゥ。ジュネ監督は、脚本段階で別の俳優を主演に想定していたが、スケジュールの都合で断念。新たにキャスティングを始めたところ、『エステサロン/ヴィ-ナス・ビューティー』のポスターでトトゥを発見し、即採用となったという。

 日本では、2001年11月に今はなきミニシアター「渋谷シネマライズ」1館限定で初公開。その後、社会現象と化していき、北は北海道の旭川、南は沖縄・那覇まで、47都道府県、全160館の映画館で上映(再上映含む)されるなど、ミニシアター系映画としては異例の拡大公開を記録した。

 あわせて公開されたポスタービジュアルは、かつてのポスターデザインを踏襲したもの。ミヒャエル・ゾーヴァのシュールな絵画が飾られた真っ赤な壁紙の部屋のベッドでアメリがアルバムを眺めるシーンが切り取られており、「幸せになる」というキャッチコピーが添えられている。

 また、渋谷ユーロスペースでは公開時と同じ35mmフィルムでの上映も決定している。

 あわせて、『アメリ』を愛する各界の著名人たちから応援コメントが到着。音楽家の青葉市子は「夢中でいれば、世界がちゃんと運んでくれる、そんな魔法が詰まった映画」と絶賛し、俳優・アーティストの美波は「あの頃の自分に、あの頃のアメリに、もう一度出会える。その出会いは自分の価値観と可能性を大きく変えてくれた」と本作との出会いを振り返った。そのほか、有賀薫、小谷実由、COFFEE BOY、原田ちあき、福田里香、真舘晴子、安本彩花、やまもとりえがコメントを寄せた。

コメント

青葉市子(音楽家)

めまぐるしく変化していく世界から、どんなピースを集めて人生を彩りましょうか。夢中でいれば、世界がちゃんと運んでくれる、そんな魔法が詰まった映画だと思います。

有賀薫(スープ作家)

「こじらせ女子」なんて言葉がなかった頃の、幸せな個性のこじらせ方。自信が持てない人でも心の殻を破る勇気がもらえる映画です。

小谷実由(モデル)

誰かの日常を少しだけ幸せにすること。それは彼女にも、とっておきの小さな幸せ。積み重ねた小さな悪戯が、特大の幸せになって彼女のもとにやってくることを願わずにいられない。

COFFEE BOY (イラストレーター)

アメリを観ると悔しくなる。ふくらむ妄想も幸せなイタズラもアイデアに溢れているから。魔法がなくても日常はファンタジー、それに気づかせてくれるアメリ。大好きです。

原田ちあき(イラストレーター/漫画家)

大人の毎日は味の薄いスープに似ている。しかしほんの少しの嘘や工夫をスパイスにとびきり美味しくすることができるのだ。きっと彼女はそれを誰よりも理解している。

福田里香(菓子研究家)

ある意味、最高のフード映画です。クリームブリュレをスプーンでカチ割るのも、さくらんぼを耳に掛けてイヤリングにするのも、フランボワーズを指サックにして食べるのも、全部アメリに教わりました。

美波(俳優・アーティスト)

小学生の時、奥の部屋のドアに深緑の『アメリ』のポスターが貼ってあった。「魔法使いかな?」と中学生になって映画を見ると、それは手作りの魔法を教えてくれた。パリのオレンジ色の夕方のような。真舘晴子(The Wisely Brothers/ミュージシャン)あの頃の自分に、あの頃のアメリに、もう一度出会える。その出会いは自分の価値観と可能性を大きく変えてくれた。また再び、止まらないドキドキを体感したい。

安本彩花(アイドルグループ私立恵比寿中学メンバー)

学生時代、理解出来ない自分が悔しく何度も見返した思い出の映画。私にも私だけの特別な世界があり、それがお仕事に繋がっている事に気づけた時は幸せを感じました。

やまもとりえ(漫画家)

10代の私にとっての『アメリ』はオシャレでキュートな恋の映画でした。40歳になった私の『アメリ』は切なく深く愛しい人間たちの映画になっていました。

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■公開情報
『アメリ デジタルリマスター版』
11月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソヴィッツ
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
2001年/フランス/フランス語/121分/シネスコ/日本語字幕:齋藤敦子
©︎2001 UGC IMAGES-TAPIOCA FILM-FRANCE 3 CINEMA-MMC INDEPENDENT-Tous droits
公式サイト:amelie-film.com

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