父・小林薫から娘・堀田真由へ受け継がれる津軽塗 『バカ塗りの娘』本編映像公開

『バカ塗りの娘』堀田真由が決意する本編映像

 9月1日より公開中の堀田真由主演映画『バカ塗りの娘』の本編映像が公開された。

 本作は、第1回「暮らしの小説大賞」を受賞した髙森美由紀の小説『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)を映画化した人間ドラマ。『過ぐる日のやまねこ』『まく子』の鶴岡慧子が監督を務めた。

 海外では漆器が「japan」と呼ばれることもあるように、世界から注目を集め、称賛される漆塗り。本作はその中でも、青森の伝統工芸・津軽塗=通称“バカ塗り”をテーマに描かれる。何をやってもうまくいかず、自分に自信が持てない美也子(堀田真由)が、津軽塗職人の寡黙な父・清史郎(小林薫)との暮らしの中で、幼い頃から触れていた津軽塗に改めて向き合い、次第に自分の進む道を見つけていく。

9月1日公開『バカ塗りの娘』本編映像_父から娘へ受け継がれる津軽塗の技と心

 公開された本編映像では、美也子(堀田真由)が、津軽塗職人である父・清史郎(小林薫)に向かって、津軽塗に挑戦する決意を伝え、父から娘へ津軽塗が受け継がれる様子が映し出されている。そして、美也子が家族がバラバラになる前の青木家の家族写真押し入れから取り出し眺めている様子も確認できる。

 鶴岡監督は、「父の清史郎は家族という幻想に囚われていて、それによって家族が自分から離れていってしまっているのに、なかなか自分の考えを変えられず苦しんでいる。美也子は家が好きだから、そこにいることが一番しっくりきているのに、何かうまくいかないなと思っている。ちょっとした思い込みが、それぞれをすれ違わせてしまっています。こういうことは実は色々な人が抱えている問題だと思ったので、そこを丁寧に描こうとしました。登場人物のちぐはぐさを描くことで、歪な家族幻想みたいなものに疑問を呈したかったんです」と青木家の家族に込めた想いを解説。

 また、美也子の体調を心配した清史郎が羽織を肩にかけ、美也子が写真に目を落としたまま本格的に漆塗りを続けていきたいという意思を伝え、親子2人で家族の写真を眺めながら笑い合うシーンを振り返り、「一緒に家族写真を見る場面で、ようやく清史郎の気持ちが美也子の方に流れていくようになる。清史郎の中での変化として、こだわっていたしがらみが溶けていって、美也子に向き合えるようにしようと思いました」と語っている。

 美也子を演じた堀田は撮影を振り返り、「“家業を継ぐ”ということに、家族が反対をするというのを聞いたりもします。そういう想いも娘のことを想ってのことだと分かるんですけれど、一番近くで見ているからこそ、一番魅力に気づいているのは美也子だと思う」とコメント。清史郎を演じた小林も「“親が思うより、子どもはずっと大人”です。子どもは遥かに大人の目線でいろいろなことを考えていると思うんです。仕事についても、自分自身は今までやってきたやり方を壊すことは難しい。しかし娘がそこを危なっかしいながらも超えようとしていく姿は見守る。そのときのあたふたぶりが親なのかなと思うんです」と語った。

■公開情報
『バカ塗りの娘』
全国公開中
出演:堀田真由、坂東龍汰、宮田俊哉、片岡礼子、酒向芳、松金よね子、篠井英介、鈴木正幸、ジョナゴールド、王林、木野花、坂本長利、小林薫監督:鶴岡慧子
監督:鶴岡慧子
脚本:鶴岡慧子、小嶋健作
原作:髙森美由紀『ジャパン・ディグニティ』(産業編集センター刊)
製作:「バカ塗りの娘」製作委員会
制作プロダクション:アミューズ 映像企画製作部、ザフール
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2023年/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/118分
©2023「バカ塗りの娘」製作委員会
公式サイト:https://happinet-phantom.com/bakanuri-movie/
公式X(旧Twitter):@bakanuri_movie
公式Instagram:@bakanuri_movie

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