『ウソ婚』匠に対する新藤の“特別な感情” Snow Man 渡辺翔太の優しい声が作品を包み込む

『ウソ婚』匠に対する新藤の“特別な感情”

 また、第4話は進藤を演じている渡辺翔太の“声”の魅力を再確認させられた回でもあった。Snow Manのなかでも、安定感のある歌声でファンを魅了している渡辺。とくに、2021年発売のファーストアルバム『Snow Mania S1』の収録曲「360m」を聴いた時に、「聴く人を優しい気持ちにさせる歌い方をする人だな」と感じた。

 その優しさは、演技にも反映されている。第4話は、後半ほぼ渡辺のひとりしゃべり(しかもナレーション)というかなり難度の高い演出がなされていたのだが、進藤の切ない表情に寄り添うような渡辺の優しい声が、作品全体を温かく包み込んでいたのだ。

 さて、ついに匠と八重のマンションを訪れることになった進藤。彼の本音を知ってしまったいま、八重と笑顔で話しているところを見るだけでも胸が苦しくなる。しかも、そこにレミ(トリンドル玲奈)も加わるとなれば、さらに面倒なことになってきそうだ。おそらく、レミも口では強がっているが、本当は匠のことが気になっているのだろう。

 そう考えると、すべての人は本音と建前を操りながら生きているのかもしれない。八重も匠も、進藤もレミも。笑いたくないのに笑って、許したくないのに許して、ウソをつきたくないのについて。この世界は、おもに建前で成り立っている……と考えると寂しくなるが、たったひとりでも本音でぶつかれる相手がいればいい。「本当はつらいんだ」と打ち明けられる相手がいれば、きっとまた建前の笑顔を浮かべることができる。全員に本音でぶつかる必要はない。本音で向き合えない自分を卑下する必要もない。建前で自分の心を守れるのも、大きな武器なのだから。

■放送情報
『ウソ婚』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜23:00〜放送
出演:菊池風磨(Sexy Zone)、長濱ねる、渡辺翔太(Snow Man)、トリンドル玲奈、織田梨沙、黒羽麻璃央、鶴見辰吾ほか
原作:時名きうい『ウソ婚』(講談社『姉フレンド』連載)
脚本:蛭田直美
音楽:岩本裕司
主題歌:Sexy Zone「本音と建前」(Top J Records)/作詞・作編曲:椎名林檎
監督:山口健人、木村真人
プロデューサー:岡光寛子(カンテレ)、島本講太(ジェイ・ストーム)、芳川茜(共同テレビ)
制作協力:共同テレビ
制作:カンテレ、ジェイ・ストーム
©︎カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/usokon/
公式Twitter:@kadora_11j
公式Instagram:@kadora_11j

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