『東京ラブストーリー』から『真夏のシンデレラ』へ フジ月9ヒロインの3つの共通点とは

フジ月9ヒロインの3つの共通点とは

 2023年夏クールのドラマが続々とスタートしている中、フジテレビ系月9ドラマ『真夏のシンデレラ』が注目を集めている。

 “この夏、一番の恋の予感”とのキャッチコピーがつけられた本作で主演を務めるのは、森七菜と間宮祥太朗。あらすじをチェックして見ると、かつてラブストーリーのイメージが強かった、月9枠の王道を描いているのではないかという印象を受けた。

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 『真夏のシンデレラ』には、これまでの月9ラブストーリーに見られる3つの王道要素が含まれている。その1つが、境遇の違う男女が出会う点だ。

 まず思い起こすのは、2000年10月期の月9ドラマで、今もなお愛され続ける名作『やまとなでしこ』(フジテレビ系)だろう。同作では、貧しい漁師の家に生まれ、玉の輿に乗るべく日々合コンを繰り返す客室乗務員・神野桜子(松嶋菜々子)が、小さな魚屋を営む中原欧介(堤真一)と出会う。「心よりもお金が大事」というのをモットーに理想の恋を探し続ける桜子と、恋に臆病な欧介を中心に描いたラブストーリーだ。

 2012年7月期で放送された『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)は、小栗旬演じる若き社長と、石原さとみ演じる就職活動に奔走する女子大生の恋愛模様を描いた作品。さらにプロバスケットボールチームに所属する上矢直輝(山下智久)と、書店でアルバイトをしながらプロのバイオリニストを目指す白河莉子(北川景子)という実生活では交わらなそうな2人の恋を描いた『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』(フジテレビ系)も境遇の違う男女の作品と言えるだろう。

 そして『真夏のシンデレラ』は、海辺で生まれ育った女友達3人組と、東京の一流大学に入学し優等生な日々を送る高校時代からの男性グループ3人、通常なら交わるはずのない男女が物語の中心。月9の王道である、境遇の違う男女の恋がどのように発展していくのか注目だ。

真夏のシンデレラ

 出会うはずがない恋の追い風となるのが、“夏”というシチュエーション。ドラマでは、放送期間と連動したような時系列を追うものもあれば、季節を問わないもの、3カ月で四季を描くものなどさまざまある。その中でもとりわけ夏クールの月9ラブストーリーには、放送期間と連動してひと夏の恋に全振りした物語も多い印象だ。

 例えば、2003年の夏クールドラマ『僕だけのマドンナ』(フジテレビ系)は、大学で建築を学ぶ青年・恭一(滝沢秀明)が、自分の部屋に不法侵入していた年上の女性・片岡するみ(長谷川京子)と出会うといったもの。オープニング曲として起用されていた、サザンオールスターズの名曲「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」が暑い夏の恋を盛り上げていた。

 2016年放送の『好きな人がいること』(フジテレビ系)は、再就職先の内定をもらえず途方に暮れていたパティシエール・櫻井美咲(桐谷美玲)が、高校時代の初恋相手・ 柴崎千秋(三浦翔平)と弟の夏向(山﨑賢人)、冬馬(野村周平)の経営するレストランで住み込みで働くと言った内容。そのレストランの名前は「Sea sons」とまさに夏を連想させるようなネーミングだった。

 夏らしさが色濃い作品は、上記に挙げた以外に『君といた夏』(1994年/フジテレビ系)や『夏の恋は虹色に輝く』(2010年/フジテレビ系)『SUMMER NUDE』(2013年/フジテレビ系)なども。これまでの夏のラブストーリーがそうだったように『真夏のシンデレラ』も何年経っても、夏が来るたびに思い出す作品になるに違いない。

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