『良くも、悪くも、だって母親』イ・ドヒョンの真意が明らかに ミジュとの幸せを願って

『良くも、悪くも~』ミジュとの幸せを願って

 韓国ドラマを観ていて感じるのは、親子間でも、友情間でも、情の結びつきが強いということだ。子も親も共に「愛してる」と頻繁に言い、友人同士でも手を繋いで歩く。本作でも、韓国人の情の強さが、よくわかる描かれ方をしている。情の厚さと熱さ、そして深さゆえに、干渉の度合いもまた激しさを増しているのかもしれない。しかし、ガンホがそうであったように、子の方もその裏側にある想いをくみ取れるのが、また情の強さと深さ故かもしれない。

 死期が近づいているヨンスンは、ガンホへのコントロールの激しさをさらに増していく。一方、ガンホは記憶を失っていても、ミジュに対する愛情が心にあるのがわかる。過去編で、ガンホとミジュの幸せな姿が描かれ、ガンホがミジュを愛していながら、父親の復讐のためにミジュと泣く泣く別れたことも明かされた。そして、ガンホのフラッシュバックした記憶がミジュを刺激し、2人はキスを交わす(!)のだが、ガンホの記憶は7歳のままなので、2人の温度差がもどかしい。ガンホがビックリして、なにが起きているのかわからないというときの、イ・ドヒョンの表情が見事だ(全編に渡り、とにかくイ・ドヒョンがいい!)。そのあとのニヤニヤしながら、豚の目をハートに描くガンホもすこぶるかわいい。

 第10話ラストでは、ヨンスンからガンホを結婚させると聞いたミジュが、これまでと打って変わって行動に出るところを想像させて、次回に続く形となった。ガンホの中に、過去のミジュとの思い出がちゃんと残っていることを確信したミジュは、双子をドレスアップさせ、意を決した表情で歩いていく。ミジュが向かう先は、ガンホのもとなのか。物語は、温度を上げ、急速に面白さを増している。ガンホとヨンスンの親子間の目をそむけたくなるような展開から一転、ミジュとガンホの恋の行方に着火された。同じ日に生まれたガンホとミジュの、運命の恋。ガンホの「大丈夫だよ、ミジュ。試験はまた来年受ければいい」の優しい声に、ミジュが思わずガンホにキスしてしまったように(ミジュの切なさに涙)、ガンホが知らない、ミジュのガンホへの想いや選択を、記憶が戻ったガンホに知ってもらいたい。そして、真相を知ったガンホの驚きや、記憶が戻ったガンホとミジュの熱いキスが見たい! 切ない感情を圧巻の演技で演じる、アン・ウンジンの輝くような笑顔と、イ・ドヒョンの満面の笑みが見られることを切に願いながら、次回を楽しみに待ちたい。

■配信情報
『良くも、悪くも、だって母親』
Netflixにて配信中
出演:ラ・ミラン、イ・ドヒョン、アン・ウンジン
原作・制作:シム・ナヨン、ペ・セヨン
(写真はJTBC公式サイトより)

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