宮藤官九郎企画・監督・脚本『季節のない街』主演は池松壮亮 共演に仲野太賀&渡辺大知

『季節のない街』池松壮亮、仲野太賀ら出演

 8月9日よりディズニープラス「スター」にて独占配信される、宮藤官九郎が企画・監督・脚本を務めるドラマシリーズ『季節のない街』の主演を池松壮亮が務め、仲野太賀、渡辺大知が出演することが発表された。

 本作は、宮藤が長年温めてきた企画で、山本周五郎の小説『季節のない街』を映像化する、仮設の街を舞台にした青春群像エンターテインメント。原作小説は、黒澤明監督が映画化し、『どですかでん』のタイトルで1970年に公開されている。誰もがその日の暮らしに追われる“街”を舞台に生きる住人たちの悲喜を紡いだ物語。この小説をベースに、本作では、舞台となる「街」を、12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失いこの「街」にやってきた主人公が、「街」の住人たちの姿に希望をみつけ、人生を再生していく様子を描く。

 主人公の田中新助こと半助役を演じるのは、『シン・仮面ライダー』で主演を務めた池松。宮藤組への参加は、宮藤が脚本を担当した作品を含めて今作が初となる。

 さらに、主人公の半助とともに物語を中心で支えるタツヤを仲野が演じる。宮藤が作・演出する現在上演中の舞台『ウーマンリブ vol.15「もうがまんできない」』にもメインキャストとして出演中で、宮藤が脚本を手がけたドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)の演技も高く評価された。

 そして、そのタツヤが率いる街の青年部のメンバーで、酒屋の息子・オカベを演じるのは、ミュージシャンでありながら俳優としても活躍の場を広げる渡辺。バンド「黒猫チェルシー」の活動で宮藤とは旧知だが、俳優として宮藤作品に参加するのは『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK総合)ぶりとなる。

コメント

池松壮亮(半助/田中新助役)

宮藤官九郎×山本周五郎×どですかでん×ディズニープラスというもの凄い組み合わせへの参加に心がときめきました。
宮藤さん、横浜さん、渡辺さん、素晴らしい3名の監督たちと、素晴らしいスタッフキャストと共に、あの街で2カ月半を過ごしました。
もうなくなってしまったあの街のことを、今なお恋しく思います。あの街にはどうしようもない人たちしかいませんが、みんな大して抜け出そうともせず、むしろしっかり生き生きと楽しんでいます。またあの街には良くないことばかりが起こりますが、目に見えない大切なことによって、底辺からのイマジンによって世界がつなぎとめられ、ささやかに美しく輝き続けます。時代の大きな変化の中で、物語の力と、あの街を信じて、無くなってしまうことへのささやかな抵抗になればと思いました。
あるところに、街があった。宮藤官九郎版、季節のない街、どうぞご期待ください。

仲野太賀(タツヤ役)

宮藤さんが「どですかでん」? 主演が池松壮亮? しかもディズニープラスで?
なんだそれ、そんなの絶対面白いに決まってるじゃん! と、お話を頂いた時に興奮したのを覚えています。蓋を開けてみると、邦画を代表するようなアベンジャーズみたいなスタッフ陣と、最高に素敵な俳優が集まって、仮設住宅で2カ月半の缶詰状態。右見ても左見ても面白い人ばかりで、才能の大渋滞。俺この中でやってけるかな……と思いつつも、与田タツヤという素敵な役を演じさせて頂きました。
これは人間讃歌の物語です。笑って泣いて、踊って、ぶち切れて。悲喜交々の全部入りです。どうか楽しみにしていてください!

渡辺大知(オカベ役)

宮藤さんの脚本作品に初めて参加させてもらったんですが、読むことが楽しくてずっとワクワクしながらページをめくっていました。次から次へと個性溢れる魅力的なキャラクターが生き生きと大暴れしていて、毎話、心がじんと熱くなりました。人間だから、生活が脅かされたり予期せぬ出来事が起こった時には、ビビったり、悲しくなったり、悩んだり、不安になったりすると思うんですが、このドラマに出てくるひとたちはみーんな不思議なほどにゲラゲラ笑っていて、生命力に満ちているんです。最初はヘンテコだなぁなんて思ってたんですが、今はこの「街」が愛おしくて仕方ないんです。日々落ち込むこともそりゃありますが、そんな時こそ寄り添ってくれる、やさしい作品になっているかと思います。宮藤さんと、その想いに賛同したたくさんの方々の魂で作った作品。参加できて光栄でした。観ていただいた方にもこの「街」を愛してもらえたら嬉しいです。

宮藤官九郎(企画・監督・脚本)

60年前に書かれた原作小説『季節のない街』を、今ドラマ化する意味についてずっと考えていました。何しろ黒澤明監督の『どですかでん』という大傑作がすでに存在している。安易で独りよがりなオマージュになってはいけない。そこで舞台を仮設住宅に置き換え、黒澤版では割愛されていた2つのエピソード『半助と猫』『親おもい』を復活させ、それぞれの主人公である半助とタツヤ、さらに『がんもどき』に登場する酒屋の青年オカベを加え、3人の若者の視点で『街』を描くことで、この難関をクリアしようと考えました。半助には池松壮亮くん。一方的にファンなので、逆に声をかけづらい存在でしたが、一緒にやるならこれだ! という強い思いが届いたのでしょうか。絶望と悲しみを内に秘めつつ、決して重くなりすぎず、時に観客の目となり、街の変人達を絶妙な距離感で見守る半助。彼のバランス感覚こそ、このドラマの要だったと思います。どこか冷めていた半助が、ラストに向かって変貌していく様も見どころです。タツヤ役には仲野太賀くん。たった一人の青年部。母親の愛情に飢えた、承認欲求高めな〝親思い〟の次男坊。ある意味もっとも可哀想な男なんですが、太賀くんの持つ、天性の明るさとコメディセンスのおかげで、打たれ強い、そして立ち直りの早い愛すべきキャラクターになりました。オカベ役は渡辺大知くん。厳密には街の住人ではなく、近所の酒屋の息子です。好きな女の子目当てに街に出入りしている。この街で、唯一の恋愛要素を、時に切なく、時に陽気なストーカーすれすれの執拗さで、おおむね切なく演じてくれました。3人が互いを尊重し、刺激し合いながら、現場でどんどん膨らませてくれました。彼らのおかげで、2023年版の『季節のない街』は、紛れもなく今を描くドラマになったと思います。

■配信情報
『季節のない街』
ディズニープラス「スター」にて、8月9日(水)より全10話一挙独占配信
出演:池松壮亮、仲野太賀、渡辺大知
原作:山本周五郎『季節のない街』
企画・脚本:宮藤官九郎  
監督:宮藤官九郎、横浜聡子、渡辺直樹 
音楽:大友良英
撮影:近藤龍人
美術:三ツ松けいこ
照明:尾下栄治
編集:宮島竜治
録音:山本タカアキ
衣裳:伊賀大介
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