宮藤官九郎が企画・監督・脚本手がけるドラマ 『季節のない街』ディズニープラスで8月配信

宮藤官九郎監督『季節のない街』配信決定

 宮藤官九郎が企画・監督・脚本を務めるドラマシリーズ『季節のない街』が、8月9日よりディズニープラス「スター」にて全10話一挙独占配信されることが決定した。

 本作は、宮藤が長年温めてきた企画で、山本周五郎の小説『季節のない街』を映像化する、仮設の街を舞台にした青春群像エンターテインメント。原作小説は、黒澤明監督が映画化し、『どですかでん』のタイトルで1970年に公開されている。誰もがその日の暮らしに追われる“街”を舞台に生きる住人たちの悲喜を紡いだ物語。この小説をベースに、本作では、舞台となる「街」を、12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある「街」へ置き換え、現代の物語として再構築。希望を失いこの「街」にやってきた主人公が、「街」の住人たちの姿に希望をみつけ、人生を再生していく様子を描く。

 “ナニ”から12年。この街には、“ナニ”で被災した人々が身を寄せる仮設住宅があった。今もまだ、18世帯ものワケあり住人が暮らしていたが、月収12万超えると「即立退き」とあって、皆ギリギリの生活を送っていた。主人公の田中新助こと半助は、街で見たもの、聞いた話を報告するだけで「最大一万円!」もらえると軽い気持ちで、この街に潜入する。だが、半助こそ“ナニ”によって何もかも失い、ただ生きているだけの男だった。しかし、ギリギリの生活の中で、生きるワケあり住人らを観察するうち半助は次第に、この街の住人たちを好きになっていく。そんな中、仮設住宅が取り壊されるという噂が街に流れはじめる。

 宮藤が映像作品の監督を手がけるのは映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』(2016年)以来。そんな宮藤とともに監督を務めるのは、『いとみち』などの横浜聡子、『ドライブ・マイ・カー』に監督補として参加した渡辺直樹。音楽には『あまちゃん』(NHK総合)、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(NHK総合)など宮藤脚本の作品のほか、『エルピス —希望、あるいは災い—』の音楽も手がけた大友良英、撮影には『ある男』『万引き家族』の近藤龍人、美術に『すばらしき世界』などの三ツ松けいこ、そして衣装には宮藤作品にも多数関わる伊賀大介が参加している。

 あわせて公開されたティザービジュアルには、壁に電車が描かれた仮設住宅と、この街に住む人々の暮らしている様子が垣間見える物たちがコラージュされており、中央には、大きな「大漁旗」がたなびいている。

 さらに、メイキング写真には、ニット帽と手袋を着用し、ロケ地に立つ宮藤の姿が切り取られている。

コメント

宮藤官九郎 (企画・監督・脚本)

黒澤明監督作品の中で『どですかでん』がいちばん好きで、その原作小説『季節のない街』に20歳で出会い、その昂ぶりのまま演劇を始めました。
以来、事あるごとに原作を読み、なぜ黒澤さんはこのエピソードを削除し、あのエピソードを膨らませたのだろう、という疑問が沸き始めました。
そもそも短編集なので1話完結の連続ドラマになるんじゃないか?(……と思ったら60年前に森繁久彌主演でドラマ化されてました)とか、現代に置き換えるなら、舞台は仮設住宅かな?とか、電車バカの六ちゃんは誰がいい?とか、伴淳三郎さんの役はあの人?田中邦衛さんの役はアイツしかいないとか、そんな妄想を抱きつつ30年、無理だよな、無理なんだろうな、と諦めかけていたところに、ディズニープラスさんが面白がってくれて日の目を見ました。
びっくりするくらい素晴らしいキャスト、最高のスタッフ、びっくりするくらい寒暖差の激しいロケ地、怖いほど条件が揃ってしまったので、失敗は許されないというプレッシャーと闘いながら、二ヶ月半のロケは夢のように過ぎていきました。どうしよう。今回は自信がある。紛れもなく、いちばんやりたかった作品で、これを世に出したら、自分の第二章が始まるような気がしています。
世界中の人に観てほしいので拡散お願いします。

■配信情報
『季節のない街』
ディズニープラス「スター」にて、8月9日(水)より全10話一挙独占配信
原作:山本周五郎『季節のない街』
企画・脚本:宮藤官九郎  
監督:宮藤官九郎、横浜聡子、渡辺直樹 
音楽:大友良英
撮影:近藤龍人
美術:三ツ松けいこ
照明:尾下栄治
編集:宮島竜治
録音:山本タカアキ
衣裳:伊賀大介
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