『どうする家康』阿部寛の説得力があり過ぎる武田信玄 家康にどんな恐怖を刻み込む?
『どうする家康』(NHK総合)で戦国最強とも評される甲斐の武将、武田信玄を演じている阿部寛。主人公・徳川家康(松本潤)が決して超えられない圧倒的な存在となって、異彩を放っている。狼のような鋭い視線を家康に向けたかと思うと「俺の白兎」と言って家康の耳を噛むような織田信長(岡田准一)の怖さとはまた質の違う、底知れぬ不気味さが漂う。
武田信玄は生涯で72回合戦に挑み、負けたのは3回だけと言われている(72戦49勝3敗20分勝率9割4分)。第16回のタイトル「信玄を怒らせるな」の通り、何においても強気な織田信長でさえ「信玄だけは怒らせるな」と家康に注意を促している。本気で怒らせたくない相手、直接対決だけはどうしても回避したい相手、それが武田信玄なのだ。
『どうする家康』の公式サイトの登場人物紹介のページには、武田信玄について「戦国最強のレジェンド。家康のなすことすべてを先読みし、赤子の手をひねるようにたたき潰す。戦国を生き抜く厳しさを知らしめる。家康にとって生きる教科書のような人物」とある。(※)家康は信長のドSな対応にも困惑するしかないが、甲斐の大きな虎に対して格の違いを思い知らされる。
信玄を演じる阿部寛といえば、人気ドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)シリーズで東大専科の生徒たちを東大合格に導く弁護士・桜木建二役を思い浮かべる人も多いかもしれない。それぞれに事情を抱えた生徒たちに受験の厳しさだけでなく、現代社会を生き抜く大変さを教えるように、信玄は家康にとっては戦国の世での戦い方のお手本のような存在となる。