「西暦2024年は、気づけば来年だった」 日本劇場初公開『少年と犬』ポスター&予告編
5月19日よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開される『少年と犬』の予告編とポスタービジュアルが公開された。
本作は、西暦2024年を舞台にしたSF映画。1975年に制作され、1976年サターン賞最優秀男優賞とヒューゴー賞最優秀映像部門賞を受賞した。西暦2024年の荒廃した地球を舞台に、少年とテレパシー犬のさまよえる旅が描かれる異色のブラックコメディだ。映画の舞台を来年2024年に控えた今、日本劇場初公開される。
西暦2024年、第4次世界対戦での核ミサイルの応酬により、地球上は荒廃。遺伝子変異により女性は生まれなくなっていた。生き残った者たちは地上と地下シェルターに二分され、地上は食欲と性欲を満たそうとする輩が奪い合いを繰り返し、荒れ放題。テレパシーで会話することができる犬ブラッドはいつも腹を空かし、少年ヴィックは女性を求め、さまよっていた。ある日、地下から来た少女クイラを見つけたヴィックはブラッドの忠告も聞かず、彼女を追って地下世界へ。そこは理想郷(ユートピア)なのか、はたまた……。
原作は、2018年6月に84歳で死去したアメリカのSF作家ハーラン・エリスンの同名小説。1000を超える小説を執筆し、TVシリーズ『0011 ナポレオン・ソロ』や『アウター・リミッツ』、『宇宙大作戦(スタートレック)』などTVの脚本家としても活躍した彼の作品の中でも、斬新な設定が人気を博した一作だ。
監督を務めたのは、サム・ペキンパー監督作品の常連俳優として知られるL・Q・ジョーンズ。本作の世界観や設定、登場キャラクターなどが、『マッドマックス』シリーズに影響を与えたとも言われている。
少年ヴィックを演じるのは、後にTVドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』で主演を務める当時25歳のドン・ジョンソン。テレパシー犬ブラッドの声はティム・マッキンタイアが演じ、音楽やエンディングの歌唱も担当している。
公開された予告編は、「緊急初公開」の文字が浮かんだ後、けたたましい爆発音が鳴り響き、核ミサイルの爆破映像とともに「西暦2024年、第4次世界大戦後」「この世は終わり、犬が喋りだす」と記される。「腹が減った」とテレパシーで話す犬ブラッドに対し「お前は女を探せ 俺は食い物を」と返す少年ヴィック。騒々しい地上で、2人はお互いを支え合いながら生きている。しかし、ある日地下から来た少女クイラと出会い、状況は一変。ヴィックはブラッドの静止を聞かずクイラを追って、ひとりで地下世界へ足を踏み入れる。地下世界ではなにやら臨時会議が行われるらしい。これは何の会議なのか。荒れ狂う地上と比べ、笑顔の人が多いようだが……。予告の最後は、鼻歌を歌うブラッドの姿が収められている。
あわせて公開されたポスタービジュアルには、地上は陽光のオレンジ、地下は陽の当たらない暗闇の黒で2つの世界が表現されており、中央には地下世界へとつながる扉、その前には少年と犬、そして横たわる女性が。また、「西暦2024年は、気づけば来年だった」「かなり高い確率であなたが目にする未来」という予言が書かれている。本ビジュアルを描いたのは、ペキンパー監督の『戦争のはらわた』、ジョン・カーペンター監督の『要塞警察』、『ウォーキング・トール』や『ダーティ・メリー クレイジー・ラリー』のポスターを手がけたロバート・テネンバウム。
また、3月31日より1500円で販売される全国鑑賞券には、劇中の2024年で起こる出来事が記された「近未来予習型・予言ステッカー」が特典として配布される。
■公開情報
『少年と犬』
5月19日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国公開
監督:L・Q・ジョーンズ
原作:ハーラン・エリスン
出演:ドン・ジョンソン、スザンヌ・ベントン、ジェイソン・ロバーズ
提供:キングレコード
配給:アンプラグド
1975年/アメリカ映画/90分/カラー/シネマスコープ/原題:A Boy and His Dog/PG12
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