イン・シンクの楽曲とともにバスに揺られる主人公 『レッド・ロケット』本編冒頭映像公開

『レッド・ロケット』本編冒頭映像

 4月21日に公開されるショーン・ベイカー監督最新作『レッド・ロケット』の本編冒頭映像が公開された。

 2021年の第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でお披露目後、A24が北米配給した本作は、口先だけの元ポルノスターを主役に、社会の片隅で生きる人々を描いた、ひとクセありのヒューマンドラマ。『タンジェリン』『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』などのベイカーが監督を務めた。

 「ポルノ界のアカデミー賞を5回逃した」ポルノ俳優だったが、今は落ちぶれ無一文で故郷テキサスへ舞い戻ったマイキー。別居中の妻の家に転がり込むことに成功したが17年のブランクのおかげで仕事はない。昔のつてでマリファナを売りながら糊口を凌いでいたある日、ドーナツ店で働く少女と出会い再起を夢見るが……。

映画『レッド・ロケット』本編冒頭映像

 公開されたのは、90年代後半に一世を風靡したアメリカのアイドルグループ、イン・シンクの大ヒット曲「Bye Bye Bye」とともに、主人公マイキーが長距離バスに揺られる姿で幕を開ける冒頭シーン。徐々にボリュームが上がっていき「バイバイバイ」とコーラスが重なるドラマチックな音楽とは裏腹に、気だるげな表情で窓の外を眺めるマイキーは、顔には殴られたようなアザ、無精ひげにタンクトップ姿と見るからに“ワケアリ”な様子。繰り返し歌われる「バイバイ」という歌詞に乗せ、16mmフィルムのざらついた質感の映像で映し出されるテキサスの工業地帯の風景からは、乾いた暑さや砂っぽさも漂ってくる。マイキーの物語の行く末を予感させるかのような、どこか切なく不穏な雰囲気も含んだオープニングとなっている。

 ジャスティン・ティンバーレイク、クリス・カークパトリック、ジョーイ・ファトーン、ランス・バス、JC・シャゼイから成るイン・シンクは、1995年にバックストリート・ボーイズのマネージャーによって生み出されたベイカー監督は、あらゆる“別れの歌”をリサーチし、本作のストーリーに合う一曲としてイン・シンクの「Bye Bye Bye」を選び出したという。「歌詞を読み始めたら、とてもしっくりきたんだ」と語るが、この曲を使用するにはイン・シンクのメンバー全員の許可が必要だったというエピソードも。

 工業地帯に降り立ち、マイキーが足早に向かうのは長らく別居状態にあった妻の実家だ。マイキーに何があったのか、一体これから何をしようとしているのか。そしてこの歌詞の「バイバイ」という言葉は、本作にどうリンクするのだろうか。

■公開情報
『レッド・ロケット』
4月21日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー
共同脚本:クリス・バーゴッチ
出演:サイモン・レックス、ブリー・エルロッド、スザンナ・サンほか
撮影:ドリュー・ダニエルズ
美術:Stephonik
提供:トランスフォーマー、Filmarks
配給:トランスフォーマー
2021年/アメリカ/英語/130分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:Red Rocket/日本語字幕:岩辺いずみ/R-18+
©2021 RED ROCKET PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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