『Get Ready!』妻夫木聡のエモーションが全開となった過去エピソード 恩師との絆に感涙
『Get Ready!』(TBS系)クライマックスへの序章となる第8話が2月26日に放送された。エース(妻夫木聡)が闇医者になったきっかけは第5話で描かれたが、第8話ではエースと名乗る前の天野真一が千代田医大を辞めた経緯が明らかになった。
「オペは完治の入口でしかない」とエースは口にする。それは天野の恩師である大和医大の真田(榎木孝明)の言葉だった。真田は愛弟子の天野に「君の正義が命の重さに勝ってはいけない」と訓示する。真田はきれいごとばかりと陰口を叩かれており、天野も内心真田のことを煙たがっていた。自らを過信していた天野は真田のもとを去り、剣持(鹿賀丈史)のいる千代田医大に移籍。そこで青葉(志水心音)と出会った。青葉は移植手術のドナーを待っており、天野に励まされながら毎日をけなげに送っていた。
その頃、大和医大から堂前(松澤一之)が転院してくる。自身が優先的に臓器移植を受けるべきと考えた堂前は、命の平等を説く真田の態度にしびれを切らし、移植を約束する剣持のいる千代田医大を選んだ。しかし、堂前は評判の良い天野に執刀を依頼。これが剣持のプライドを傷つけた。学会の次期理事長にライバルの真田が有力視されたことも剣持の嫉妬心をあおった。嫉妬に狂った剣持は真田と天野に罠を仕掛ける。
まるごと1話を回想シーンにあてた第8話は、エース率いる闇医者チームがこれまでしてきたことの答え合わせ的な意味合いがあった。生き延びる価値を問う『Get Ready!』で、命の選別を行うわけは患者たちとのやり取りを通じてうっすらと意識されていたが、原点となるエピソードがその意味を鮮明にした
命の価値に関する真田と剣持の対話。「命の価値は量ることはできない」と正論を吐く真田に対して、剣持は「金がなければ最新の医療機器も導入できない」と反論する。不可避的な過ちから青葉の命を救えなかった天野に、母親(菊池亜希子)がぶつけた「娘に生きる価値はなかったんでしょうか?」。重傷の天野に真田が託した「君は生きるんだ」という一言。それぞれの言葉は仮面ドクターズの現在につながっている。命の価値を量るエースは最新技術を駆使したオペルームでメスを手に執る。そのエース自身、真田に命を救われ、生きる価値を与えられた。「生き延びる価値」は、エースが自身に問いかけているものでもあるのだ。なお、ここでの生きる価値はある種の反語で、命の平等を前提にしていることは言うまでもない。