『舞いあがれ!』は桑原亮子にしか紡げない物語 歌人による脚本の深さと驚きをCPが語る

『舞いあがれ!』CPが語る脚本の奥深さ

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第95回にて、貴司(赤楚衛二)が舞(福原遥)に贈った短歌が相聞歌であることが明らかになった。相聞歌とは、恋の歌。リュー北條(川島潤哉)が出版に向けて準備している歌集に収録される300首のうちの1首だけ、それに当てはまる短歌があると史子(八木莉可子)は北條に伝える。

<君が行く 新たな道を 照らすよう 千億の星に 頼んでおいた>

 航空会社「博多エアライン」の内定を辞退して、株式会社IWAKURAで働き始めた舞に貴司が五島から贈った短歌。IWAKURAという新たな道を歩き始める舞の背中を後押しし、舞自身にとっても大切なお守りとして心に――ポストカードとしても舞の部屋に飾られていた印象的な短歌だ。

<君が行く 道の長手を 繰り畳ね 焼き滅ぼさむ 天の火もがも>

 貴司の短歌は、『万葉集』に収められている奈良時代の歌人・狭野茅上娘子の1首を取り入れた本歌取り。狭野茅上娘子の和歌には「別れざるをえなくなった夫への思い」が表現されており、つまりは貴司の作品には情熱的な恋心がまるで隠しきれない炎のように見え隠れしているのだと史子は解説する。

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