第95回アカデミー賞国際長編映画賞カンボジア代表に選出 『ソウルに帰る』8月公開決定

『ソウルに帰る』8月公開決定

 第95回アカデミー賞国際長編映画賞カンボジア代表に選出された映画『Return to Seoul(英題)』が、『ソウルに帰る』の邦題で8月にBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下にて公開されることが決定した。

 本作は、韓国で生まれ、フランスで養子縁組されて育った25歳のフレディが初めて母国に戻り、友人の力を借りて実の両親を探し始める物語。第75回カンヌ国際映画祭のある視点部門に出品された後、第43回ボストン映画批評家協会賞では前年に濱口竜介監督が『ドライブ・マイ・カー』で受賞した作品賞を受賞。世界に先駆け1月に一般公開されたフランスでは、公開2週目にして7万人以上を動員している。

 監督を務めたのは、カンボジアの首都プノンペンを舞台に青春群像を描いた初長編劇映画『ダイアモンド・アイランド』でカンヌ映画祭批評家週間のSACD賞を受賞した、カンボジア系フランス人のダヴィ・シュー。長編2本目の本作の脚本は友人の経験に着想を得たという。

 主人公のフレディを演じたのは、本作が映画初出演となったパク・ジミン。突如目の前に現れた娘と向き合うことになる父親役は、『オールド・ボーイ』『親切なクムジャさん』などパク・チャヌク監督作品の常連俳優として知られるオ・グァンロクが務めた。そのほか『愛の不時着』のキム・ソニョン、小説『砂漠が街に入り込んだ日』の作者のグカ・ハンらが出演している。

 日本では、2022年に開催された第23回東京フィルメックスのコンペティション部門に出品され、審査員特別賞を受賞した。

ダヴィ・シュー(監督)コメント

カンボジア系フランス人監督として人種差別を受けた立場から私が興味を持ったのは、あらかじめ設定された定義に収まること、あるいは代弁されることを常に拒否するキャラクターの軌跡という地平線です。パク・ジミンが演じるフレディは、自分自身を再発明し、再構築し、再主張することに時間を費やしています。私は誰なのか?私の居場所とは? 他者との関係において、自分はどのような立ち位置にいるのか? 『ソウルに帰る』では、アイデンティティという普遍的なテーマを追求しました。

■公開情報
『ソウルに帰る』
8月より、 Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国順次公開
監督・脚本:ダヴィ・シュー
撮影:トーマス・ファヴェル
編集:ドゥニア・シチョフ
出演:パク・ジミン、オ・グァンロク、キム・ソニョン、グカ・ハン、ヨアン・ジマー、ルイ=ド・ドゥ・ランクザンほか
配給:イーニッド・フィルム
2022年/フランス、ドイツ、ベルギー、カンボジア、カタール/119分/1:1.85/カラー/原題:All The People Iʼll Never Be
©AURORA FILMS/VANDERTASTIC/FRAKAS PRODUCRIONS/2022
公式サイト:https://enidfilms.jp/returntoseoul
公式Twitter:https://twitter.com/returntoseouljp

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