戦国武将からローマ人まで演じる阿部寛 『テルマエ・ロマエ』で見せた唯一無二の存在感
古代ローマ帝国の浴場設計技師ルシウスは、友人に誘われて訪れた公衆浴場からなぜか現代の日本の銭湯にタイムスリップしてしまう。漫画家志望の真実(上戸彩)ら「平たい顔族(=日本人)」と出会ったルシウスは、日本の風呂文化に衝撃を受け、そこから得たアイデアを、古代ローマに戻って浴場設計に反映していく。
全編、ほぼ裸で大真面目にルシウスを熱演する阿部。原作は非常に面白く、筆者も大好きだが、ルシウスを演じられる日本の俳優は阿部しかいないだろうと思わせる説得力で、映画も大いに楽しむことができた。2014年には続編『テルマエ・ロマエII』も公開され、阿部は再びルシウス役に挑んだ。『テルマエ・ロマエII』は次週2月18日に放送が予定されている。
ドラマからスタートした『新参者』(TBS系)シリーズは映画化もされ、加賀恭一郎役も阿部の代表的なキャラクターとなり、ほかにも『ドラゴン桜』(TBS系)の桜木建二役、『下町ロケット』(TBS系)の佃航平役など、数々の主演作で活躍している。
時代劇の戦国武将役でも、三枚目の物理学教授役でも、朴訥な刑事や中小企業の経営者役でも、どんなキャラクターであっても唯一無二の存在感を醸し出し、説得力のある佇まいで演じこなして、躍進し続ける阿部寛。日本を代表する俳優は彼のほかにもいるけれど、『テルマエ・ロマエ』でローマ人役に扮し、日本以外でも認められ、愛される役者は彼以外には存在しない。何より、たくさん笑わせて楽しませてくれる、最高に面白い映画『テルマエ・ロマエ』での阿部の好演を、ぜひ土曜プレミアムで堪能してほしい。
■放送情報
『テルマエ・ロマエ』
フジテレビ系にて、2月11日(土) 21:00~23:10放送
出演:阿部寛、上戸彩、北村一輝、竹内力、宍戸開、笹野高史、市村正親ほか
監督:武内英樹
脚本:武藤将吾
原作:ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(KADOKAWAエンターブレイン刊)
©2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会